チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年5月30日
<速報>今日 ザムタンで幼い子供3人を残し 母親が焼身抗議・死亡
追加写真(31日)。リキョが倒れ、炎に包まれている現場写真。周りに集まったチベット人たちはなす術もなく、これを見守っている。チョナン僧院には大勢の僧侶や地域のチベット人が集まり法要を行っているという。葬儀は30日の夕方に予定されているが、現地は強い雨が降っていて30日に葬儀が行われるかどうかはっきりしないとのこと。
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ラカルの今日(30日)現地時間午後3時頃、ンガバ州ザムタン県ザムタン・バルマ郷(རྔ་བ་ཁུལ་འཛམ་ཐང་བར་མ་ 四川省アバ・チベット族チャン族自治州壤塘県中壌塘郷)にあるチョナン僧院の近くで1人のチベット人女性が中国政府に抗議する焼身を行い、その場で死亡した。
ダラムサラ在住のチョナン福祉協会会長のツァンヤン・ギャンツォが伝えるところによれば、焼身したのはリキョ(རི་ཀྱོ་)、33歳。父チャクロ、母リンラの娘。ナントンという夫と結婚し、9歳の息子、7歳と5歳の娘がいたという。
目撃者によれば、「大きな炎が上がり、その場で死亡した」という。何か叫んでいたというが、その内容は未だ伝わっていない。遺体はチョナン僧院に運び込まれ、今のところ中国当局の手には渡っていないらしいという。
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27日のラサにおける2人の焼身に続き「サカダワ」中の3人目の焼身である。これで、内地焼身抗議者の数は38人となった。死亡は29人目。女性は6人目(尼僧3人、遊牧民2人、学生1人。すべて死亡)である。ザムタンでの焼身は4人目で何れもその場で死亡している。
ザムタンでは今年2月19日にナンドル(18)が焼身(参照過去ブログ>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51730715.html)
4月19日にも従兄弟同士であるチュパック・キャップとソナムが焼身している。(参照過去ブログ>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51740958.html)
なお、この時の焼身を伝えるビデオが2人の遺書の英訳と共に最近発表されている。
<閲覧注意!>http://www.youtube.com/watch?v=MdjEDm6zH6g&feature=youtu.be
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今日の記事参照:30日付けTIbet Times チベット語版 http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=6102
30日付けTibet Express チベット語版http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/8340-2012-05-30-11-29-02
VOT放送 http://www.vot.org/#
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筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)