チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年5月27日
カム旅行記 その3 ダルツェンド~ラガン
3日目の11日、やっとチベットらしい風景に出会えた。写真は4298mの折多峠(チベット名は不詳)で舞い上がるルンタ。
朝のんびりとダルツェンドを出発し、峠を越え、2時間程で着くラガンに向かう。バスはこの辺りでは長距離しかないので、1人50元の乗り合いミニバンに乗る。
今日から写真は多めとなる。気に入ったのがあれば、クリック拡大してみてほしい。
説明の方は読飛ばしてもらってもいい。が、ただ、最後の方にラガンで最近起った、ちょっとした事件に関する特別な現場報告があるのでそれは読んでもらいたい。
ダルツェンドを出ると、路はどんどん高度を上げて行く。写真は途中で振り返れば見えるダルツェンドの裏山、ラモ・シェ山系(海子山、主峰は6070mと6032mの2峰)。
30分ぐらいで着くチベット最初の高い峠、折多峠。チュテンがありタルチョがたなびく。
辺りに撒かれていたルンタが風に巻き上げられ、何度も空に舞い上がる。
蒼穹に吸い込まれるが如くに高く舞い上がる。ルンタ(風の馬)と供にチベット人の悲願が世界の空に届きますように!
峠を越えた辺りからミニアコンガ山系を遠望することができた。中央にひと際高く聳えるのが主峰ミニアコンガ(7556m)。旅の最後にこの山に挑む!?話あり。
峠を越えると見渡す限り草原と雪山のみという美しいチベット的風景が広がる。
途中で見かけた小さなチベットのお寺。屋根が瓦で中国風ではあるが、好感がもてる風情。
注:ラガンへの路は普通ゾンシャップ(新都橋)を経由するが、今回は峠の後、北東寄りの別の近道を走った。
この辺り、もう少し時期が夏に近づいていれば、一面お花畑であったろうと、少々惜しまれた。
小さな美しい村。家はすべて石作り。窓周りは黒でなく白く塗られている。
草原に囲まれた、こじんまりとしたラガン(塔公)の町に到着。普通、ダルツェンドを出た旅行者はこの町を通り過ぎ、次のタウに向かうが、時間のある人にはこの町はお勧めと思う。
ミニバンのお兄さんに勧められるままに、町のまん中辺りにある新しいような宿に入る。節約してトイレ、シャワー共同の2人部屋で50元。部屋は広く清潔であった。
と、最初はラガンの話を一気に書くつもりだったが、すでに写真が多すぎる気がするので、続きは次回にまわすことにする。事件現場の話も次回ということで。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)