チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年4月28日
ダンゴ:平和的抗議デモ参加者16人に無期を含む懲役刑
1月23日に大規模な抗議デモが発生し、当局の無差別発砲により死者もでたダンゴ(བྲག་མགོ་四川省カンゼチベット族自治州炉霍県炉霍)。逮捕を恐れて山に逃げた2人の兄弟も射殺され、老いた母親も撃たれた。デモの後、当局は参加者を大勢拘束した。
そのうちの7人に10~13年の刑期が言い渡されたことは先のブログで報告した。>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2012-03.html
今日付けのTibet Express http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/8100-2012-04-27-16-19-22によれば:
今月26日、ダンゴの裁判所は抗議デモに参加したとして、新たに16人のチベット人に対し懲役刑を言い渡した。その内10人の刑期が判明。以下、これを列挙する。
ソナム・ルンドゥップ(30代)に無期懲役
クント(20代)に13年
ゲペン・リゴクマ出身ジボ(30代)に12年
クンドゥップ(20代)に11年
ゲペン・リゴクマ出身ワンチェン・ツェラン(30)に9年
チュナム(25)に3年
アジ・ショボ(50代)に3年
プルワ・ツェリン(30代)に2年
ワンツェ(20代)1年9ヶ月
ネンダック(30代)に1年8ヶ月
ダンゴでは今も新たな逮捕者が続出している。ダンゴ僧院では14歳以下の僧侶を当局は許可しないとして、30人の若い僧侶が追い出された。僧院が運営する学校には140人の生徒がいたが、この学校も一旦当局の命令で閉鎖された。最近再会されたが、生徒は40人しか集まっていないという。
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実はダンゴには私のツェンニー・タツァン時代の友人がゲシェになったあと帰っており、彼が捕まり刑期を受けたという噂がここで流れている。非常に心配しているのだが、まだ名前は上がっていないようだ。
それにしても、今回は無期懲役者も含まれ、ダンゴのデモに参加したものの内、分かっているだけでも10年以上の刑を受けたものがすでに11人に上る。デモは平和的に始まった。これに対し当局が発砲し死者も出たが故に、その後投石があったと報告されている。本来なら裁かれるのは当局の方だ。丸腰の抗議者に発砲し、参加者にこのような重い刑を科すとは不条理な弾圧としか言いようがない。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)