チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2012年4月14日

ダライ・ラマ法王 焼身抗議について語る

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217台湾のNEXT TV が最近ダラムサラでダライ・ラマ法王にインタビューした。
中国語字幕付きでこのインタビューのビデオを見る事ができる>>>http://www.nexttv.com.tw/vod/10185575?slug=home-dayhot

質問の中心は「焼身抗議」についてである。
以下、放映分の中から法王の発言のみを日本語にしてみる。

「ある人は私のことを生き仏だと見なす。ある人は神王と見なす。ある人は悪魔と見なす。ある人はナチという、これは誰も信じないと思うが、あっははは、、、」

「私自身は自分のことを、常々仏教の僧侶だと思っている。夢の中でもダライ・ラマだと思ったことはまずない。いつも一介の僧侶だと思っている」

NEXT TV「多くのチベットの若者たちが焼身しているが、、、」

法王「非常に悲しい事だ、悲しい事だ、、、」

「(中国の)関係者は何が(焼身の)原因なのかについて、現実的な調査を行うべきだ。これが重要だ」

「この問題は仏教に原因があるとは思わない。チベットの仏教文化に原因があるのではない。それは非常に平和的で慈悲に基づくものだ」

「この問題は全体主義的、盲目的、非現実的政策が引き起こしたものだ。だから、このような政策を行う人々がその原因について真剣に考えるべきなのだ。これが私の答えだ」

「この問題は原因なくして起ったものではない。ある条件と原因の下に生起したものだ。究極的にはここ(心を指差し)に原因がある。他の人々の命を尊重しない、全体を見ない、非常に近視眼的な、そして自己中心的過ぎるーーー俺の(権)力。支配しなければと。殺してまでもーーー非常に近視眼的だ。まったくバカげた考え方だ。完全に全体を見通す力に欠けている。そのような人々の考えは、動物のようだ。トラとかネコとか、彼らは結果について考えない。全体を見ずに、目の前の事だけを考え、襲いかかるのだ。本当に悲しい事だ」

「彼らだけを責めることはできない。社会全体というか、彼らの属する世代の考え方が非常に自己中心的なのだ。ただただ「我、我、我、、、」と。そして金と権力のことを考える。決して、内的価値について真剣に考えることがない」

(チベット自治区主席ペマ・チュリン(ティンレー)の演説シーンが流される)
「彼ら強硬路線主義者たちは、心が狭く、わざと真実をねじ曲げる。そして、間違った情報を流す」

「ここに一つ希望が持てる印がある。温家宝はこの数年の間に何度か、『中国には政治改革が必要だ』と語った。さらに、ある時には『中国は西洋的民主主義を必要としている』と表明した」
(温家宝がチベットに関する話をするシーンが流される)

「中国の12億の民は真実を知る権利がある。良い事であろう悪い事であろう、知るべきだ。彼らは善悪の判断ができる。だから、(情報を)オープンにすべきだ。チベットの問題も同様だ」

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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