チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年4月10日
TCV出身チベット人映像作家 カンヌ映画祭にデビュー
9日付けphayulhttp://www.phayul.com/news/article.aspx?id=31201&article=Tibetan+filmmaker+to+debut+at+Cannes+film+festivalによれば:
ツェリン・タシ・ギェルタン
TCV(the Tibetan Children’s Village チベット子供村)ダラムサラ校出身の映像作家ツェリン・タシ・ギェルタンが制作したショートフィルム“Turtle Soup“が、5月16~27日に開催される第65回カンヌ映画祭ショートフィルム・コーナーのトップ20に選出されたという。
ツェリン・タシは現在ベトナムのサイゴンを拠点にし、「イエティ」というグループを作り仕事をしている。このグループは今までに様々な国際フィルムフェスティバルに入賞作品を送り出している。
このショートフィルム“Turtle Soup“は去年12月にCanon 48HFPという映画祭のホーチミン部会において一等賞を獲得している。さらに、フィルム、カメラマン、編集、トレーラー、キャラクター、グラフィックの部門でそれぞれ最優秀賞を取っている。
「シネマランゲージによる単純な物語」と言われるこの“Turtle Soup カメスープ“は2人のストリートキッズがレストランの水槽からカメを救い出そうとする、盗み映画の一種だ。
「普通、盗みと言えば、ダイヤモンド等の宝石、金等を盗むということを考えるであろう。しかし、我々のグループは違った角度から盗みを描く。子供がレストランの水槽から動物を救うという話を考えたのだ」とツェリン・タシはレポーターに話す。
以下、「カメスープ」トレーラー
ツェリン・タシの前作ショートフィルム“The River” は2010年度48 Hour Project の Jury 特別賞というのを受賞している。
“The River” トレーラー>http://vimeo.com/20205644
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)