チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年4月8日
3月30日に焼身した僧テンパ・タルギェが死亡
3月30日にンガバ州バルカムで焼身抗議を行ったツォドゥン・キルティ僧院僧侶テンパ・タルギェ(22)が残念ながら、昨日(7日)病院で死亡した。本土における焼身抗議者33人の内、死亡が確認された人は彼で25人目である。
ダラムサラ・キルティ僧院リリースによれば、焼身後、病院で危篤状態が続いていた僧テンパ・タルギェが、昨日現地時間午前9時23分に死亡した。一緒に焼身抗議を行った僧チメ・パルデンは31日に死亡している。(詳しくはhttp://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/2012-04.html#20120401)
家族と僧院は遺体の引き渡しを当局に懇願するも、聞き入れられず、遺体は午後1時頃火葬され、4時頃遺灰が家族に渡された。遺灰を渡すときにも、当局は葬儀等に関する様々な条件を記載した書類へのサインを要求したという。
遺灰はツォドゥン・キルティ僧院に運ばれ、現在葬儀が行われている。遺灰を運ぶときにも、3台の警察車両が後ろから付いて来た。葬儀が行われる間も、住民や僧侶を怯えさせるために、軍隊と武装警官隊が川の対岸に陣取り、様々な演習を続けているという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)