チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年4月5日
これまでのチベット焼身抗議者:グラフとリスト
これまでのチベット人による焼身抗議について、南インド、アーメダバード在住の亡命チベット人2世ウゲン・キャプ氏がグラフと表でまとめて下さったので、これを紹介し、若干の説明を加える。
注:以下のグラフや表には亡命側の5人を含む。本土33人、亡命側5人で合計38人が対象。
(グラフと表はクリックすれば大きくなる)
去年一番多かったのは10月で計6人。今年3月には計11人が焼身し、月別で最大。平均しておよそ3日に1人が焼身したことが分かる。
全体のちょうど半数、19人が20歳以下である。
ウゲン・キャプ氏は死亡者の数を27人とされている。これは次の表における33番目、レゴン僧院僧侶「Jyangyang Palden ジャミヤン・パルデン」を死亡者の中にいれているからだが、私は彼が死亡したという報告をこれまでに確認したことがない。これまでに確認された死亡者は内地24人、亡命側2人、合わせて26人と考える。
それにしてもだ、およそ4人に3人が死亡していることになる。
2人目の「Lhakpa Tsering ラクパ・ツェリン」の焼身については一般にはよく知られていない。
彼は2006年11月23日、インド、ムンバイに胡錦濤主席が来た時、ムンバイで抗議の焼身を行っている。関連記事(写真あり)>http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=14875&t=1
上でも説明したが、33番目の僧ジャミヤン・パルデンが死亡となっているが、これは間違いではないかと思う。彼は今も、レゴンのロンウォ僧院内に匿われ、治療を受けているという情報が入っている。
地域別ではアムド29人(内ンガバ州23人)、カム4人、亡命側5人。
性別では男性33人、女性5人。
男性33人の内:僧侶19人、元僧侶7人、俗人7人。
女性5人の内:尼僧3人、主婦1人、学生1人。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)