チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年3月26日
チベット人若者がデリーで焼身抗議 危篤状態
写真:Manish Swarup / Associated Press
追記1:先ほど追記に、「死亡」と伝えましたが、誤報でした。謝罪。
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今日、インド時間12時25分、ニューデリー、コンノート広場近くのジャンタール・マンタルで1人の若者が中国に対する焼身抗議を行い、病院に運び込まれた。重度の火傷を負い重体と。
若者の名前と年齢はPhayulによればジャンパ・イシェ(བྱམས་པ་ཡེ་ཤེས་)、26~29歳。Tibet Timesによればジャンペル・イシェ(འཇམ་དཔལ་ཡེ་ཤེས་)、27歳。カム、タウ出身で、2005年インドに亡命後ダラムサラのシェラップ・ガツェル・リン(ソガ・スクール)で学んだ後、最近デリーに住み始めていたという。
胡錦涛が28、29日にニューデリーで行われるBRICSサミット出席のため 訪印する。これを前に、今日デリーでは朝からTYC(チベット青年会議)主催の中国に対する抗議デモが行われていた。
Phayul photo/Norbu Wangyal
行進を終え、ジャンタール・マンタルで集会を開き、スピーチ等が終わった時、その場で突然イシェはガソリンを被り火を放ち、叫びながら50メートルほど疾走した。倒れた後、廻りに居たチベット人たちが手にしていたチベット国旗などを使い、火を消した。警官が近くの病院 (RanmamnoHar Lohia Hospital)に運び込んだという。
関係者の話によれば、彼は85%の火傷を負い、生きる望みは少ないかもしれないという。
彼が焼身抗議を行った場所は1998年にチベット人として初めてトゥプテン・ンゴドゥップが焼身抗議を行った場所と同じである。
去年11月4日にはニューデリーの中国大使館前でシェラップ・ツェドル(26)が焼身抗議を行い、11月10日にはカトマンドゥで1人の僧侶が焼身抗議を行っている。
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参照:26日付けPhayul http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=31140&article=Breaking%3a+Tibetan+youth+self-immolates+in+New+Delhi
26日付けTibet Times http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=5795
26日付けAPhttp://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/tibetan-protester-lights-self-on-fire-during-anti-china-protest-in-indian-capital/2012/03/26/gIQAkJFObS_story.html
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)