チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年3月21日
セルタで焼身抗議を行おうとしたした中学校生徒が拘束される/<閲覧注意>17日レゴンで焼身抗議死亡したソナム・タルギェ氏の焼身映像
20日付けTibet Express http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/7768-2012-03-20-06-45-08によれば:
カム、セルタ(四川省カンゼチベット族自治州色達県)市内で1人の中学校生徒が中国政府に抗議する焼身を行おうとしたが、ガソリンを多量に飲んだ結果意識を失い倒れ、武装警官に拘束された。
今月12日、17歳のティンレというセルタの中学校生徒が市内中央の金馬広場で身体にガソリンを掛け、多量のガソリンを飲み焼身抗議を行おうとした。しかし、ガソリンを多量に飲み過ぎたせいで火を付ける前に意識を失い、倒れてしまった。
これを見て、広場を見張っていた武装警官たちが駆けつけ、彼は連れ去られ、現在も行方不明である。
その後、同級生たちが彼の家に行ったとき、彼のノートに遺書と思われる文章が書かれているのを見つけた。そこには「3つのお願い」と書かれ、「(彼の所属する)母語擁護会が盛況の内に存続することを願う。チベット人の最終的目的が達成されることを願う。困難なこの時期に内外のチベット人全員が連帯することを願う。学友や他の知人たちの努力によりチベット人の闘いが成功することを祈願する。私のように焼身を行うことは勧めない」等と記されていたという。
彼は地元の「母語擁護会」の主要なメンバーであった。
彼が焼身抗議を行おうとした広場は、1月24日にデモ参加者に向かって当局が無差別発砲を行い、死傷者が出た場所である。
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<閲覧注意>17日レゴンで焼身抗議死亡したソナム・タルギェの焼身映像。
VOAが入手した貴重映像。以下にアクセス。
> http://www.voanews.com/tibetan-english/news/Video-Show-Tibetan-Farmer-Engulfed-in-Flames-143547056.html
ソナム氏の妻が彼の葬儀に出席。写真左方、手を合わせている女性。
「彼はチベットのために焼身したのだから、悔いはない」と語る。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)