チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年3月20日
アムド、バゾンで部隊がデモ隊に向かい爆発物を投げ入れ、子供1人死亡、負傷者多数
アムド、ツォロ、バゾン((མཚོ་ལྷོ་ཁུལ་འབའ་རྫོང་又はカワスンドགད་པ་སུམ་མདོ、青海省海南チベット族自治州同徳県)で15日にデモを行い拘束された50人のシンティ僧院僧侶を開放することを要求するデモが16日に行われた。これは先のブログhttp://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51735378.htmlde
で報告した。
僧侶たちが開放されないので18日にも朝から約300人が県庁舎の前に集まり開放要求のデモを行った。その際、役人はすぐに開放すると約束したという。しかし、午後になっても僧侶たちは解放されなかった。
午後2時頃人々は再び庁舎の前に集まり、抗議の声を上げたがこのときには武装警官隊と軍隊が大勢現れ、群衆に向かって催涙弾を発射すると共に爆発物(手榴弾?)を投げ込んだ。
これによりガルツェシュམགར་རྩེ་ཞོད་地区の12歳の子供が死亡した。その他7、8人が病院に担ぎ込まれたというが、警官が病院にも張り込み負傷者を運び込むことを妨害したという報告もある。
その後、公安は18日にデモに参加したチベット人全員を逮捕すると公表した。今日20日に入り大勢のデモ参加者が次々に逮捕されているという。
以上、20日付けTibet Timesより。 http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=5765
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)