チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年3月14日
アムド、ラモ・デチェン僧院で3/10蜂起記念抗議デモ
以下13日付けTibet Timeshttp://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=5719より。
アムド、ツォンゴン、チェンツァ(青海省海東地区尖 扎 県)ラモ・デチェン僧院で「3月10日チベット蜂起記念日」に中国政府に対する抗議デモが行われた。
13日に現地からTibet Timesに入った報告によれば:
ナンコク郷ラモ・デチェン僧院ではまず、3月8日の「神変祭」の日、僧侶たちは祈祷のために作られたバター供養物の頂頭にダライ・ラマ法王の写真とチベット国旗を造作し(写真左)、これに向かって祈願を行った。
3月10日には僧院の僧侶70-80人が僧院近くの丘に登り焼香を行い、中国がチベットを侵略して53年間弾圧し続けて来たことに抗議を示すために爆竹を鳴らした。その後「菩提心の誓い(ジャンジュップ・セムチョック、抗議デモの際よく唱えられる経偈)」を唱えながら県庁方面に行進を始めた。
お経はその内「チベットの独立を!ダライ・ラマ法王をチベットへ!」というスローガンの叫びとなった。僧院から1キロ半ほどのマニドルン村に至った時、村人たちがこれ以上行進を行い県庁に近づくと大変なことになるから止めて下さいと説得を始めた。女性や子供たちも懇願したので、僧侶たちは行進をそこで中断し僧院に引き返した。
午後2時ごろ僧院下の国道に軍隊のトラック5台が現れた。同時に僧院には電話が通じなくなり、その後どうなったかは未だ不明という。
同じ報告の中、「2月8日、亡命政府首相センゲ氏が提唱した世界一斉行動への連帯を示すために、同日チェンツァ県マグル・ナムギェルリン僧院の僧侶と地元チベット人が僧院に集まり特別祈祷会を行った」とのこと。
同じく報告の中「地域の学校の冬休みは、例年では3月1日に終わるが、今年はこれが2週間延長され、その間教師や職員は全員、地域保安要員として動員された」という。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)