チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年3月9日
署名活動「焼身抗議をやめて下さい」ウーセルさん、アキャ・リンポチェ、カデ・ツェランさん連名
ウーセルさんとアキャ・リンポチェとカデ・ツェランさんは連名で「焼身抗議をやめて下さい」という署名運動始められました。
8日付けのウーセル・ブログに中国語、チベット語、英語で発表されたこの呼びかけを、劉燕子さんが訳して下さいました。
趣旨に賛同されるかたは署名お願いいたします。
原文:http://woeser.middle-way.net/2012/03/blog-post_08.html
圧政はいかに大きくとも、どうか命を大切にしてください。
チベット人抗議焼身自殺のニュースが次々に伝わってきました。
既に26人目になっています。このニュースが入るたびに、心が引き裂かれるほど悲しみのどん底に落ちます。16人目の抗議焼身自殺者は、アムド、ゴロクのソバ・リンポチェで、その遺言は、次の通りです。
「仏陀が、昔、命を捨て、虎に捧げたように、他に犠牲となったチベット人と同様に、真理と自由と大義のために命を捧げることに決めました。」これは今日、世界で稀に見られる献身です。これはチベット民族に対する深甚なる影響をもたらしています。これを私たちは永遠に心に刻みます。そして、26人が我が身を炎と化したことは、十分にチベット人の意志を表明しています。しかし、これは最終的な目的ではありません。希望を現実にすることが、私たちの最終的な目的です。
命の存続こそ、希望を現実にできます。もし、抗議焼身自殺が続いていけば、その一人一人の命を希望へと転化できない損失となるでしょう。
ですから、私たちは心より願います。
ただ今から抗議焼身自殺を止めましょう。一人一人のチベット人は命を大切にして、生き抜きましょう。圧政がいかに大きくとも、私たちの命は重要です。生き抜いてください。抗議焼身自殺では、私たちの現実を変えられません。私たちを憎む人は密かに、みんな死んでしまえば一番いいとたくらんでいます。私たちは生き抜いて、奮闘・努力してこそ現実を変えられるのです。生きている私たちは、一滴の水です。この一滴一滴が合流していけば大海原になります。小さな努力の積み重ねこそ、現実を変えられます。不死鳥のごとく立ちあがるチベット人こそ、私たちの民族の血脈を継承することができます。
私たちは呼びかけます。チベット各地の僧侶、長老、知識人、民衆は自分の信者、家族、村民たちを守ってください。抗議焼身自殺の再発を防いでください。チベットに関わる各組織、機関はただちに行動しましょう。抗議焼身自殺の拡大や加速を防ぐことを、当面の急務としてください。チベットの未来は、私たちチベット人によるものです。
オーン・マニ・ペメ・フーン(六字真言、蓮華の中の宝珠よ、幸いあれ)。
チベットを見守ってくださる国際社会の良識ある人々にもお願いします。チベットの現状と、チベット人の意志に注目し続けてください。そして、この呼びかけに賛同してくださる方は、以下のサイト、フェイスブック、ツイッター、アドレスに氏名、住所、所属などを書いてください。公開したくない人
は、その旨を付記してください。Tsering Woeser(writer, Beijing)
Arjia Lobsang Tupten (Arjia Rinpoche,USA)
Gade Tsering (poet, Amdo)
http://woeser.middle-way.net
ツィッター(@degewa )、
Email:Putixin2010@gmail.com
転載は大歓迎
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)