チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年3月5日
マチュで女子中学生が焼身抗議 その場で死亡
マチュ県チベット族中学
4日付RFA英語版http://p.tl/u3hk/チベット版/中国語版によれば、
3月3日(チベット版のみ4日とする)現地時間午後3時頃、アムド、マチュ(甘粛省甘南チベット族自治州瑪曲県瑪曲)の街中にある野菜市場の中で(མདོ་སྨད་རྨ་ཆུ་རྫོང་རྨ་ཆུ་ལམ་སྔོ་ཚལ་ཚོང་ར་)マチュチベット族(瑪曲蔵族)中学校の1人のチベット人女子生徒(རྨ་ཆུ་རྫོང་བོད་རིགས་སློབ་འབྲིང་གི་སློབ་མ་)が焼身抗議を行い、その場で死亡した。
「市場で野菜を売る中国人たちは炎に包まれ燃えるその少女に向かって石を投げた」と目撃者は語る。
「これを見たチベット人たちは怒り、中国人との間で衝突が起こりそうになった」と続ける。
少女の遺体は当局に持ち去られたという。
追記(インド時間正午):彼女の名前と年齢が判明した。名前はツェリン・キ、年齢は19歳。
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2010年、この地域のチベット人中学生たちは、中国政府のチベット政策に反対する抗議デモを何度も行っている。また、アムドでは当局の「漢語教育推進」に反対し「チベット語擁護」を訴える中学生による抗議デモが連続して発生した。拘束された生徒も多く、刑期を受けた生徒もいる。参照http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51505576.html
これで確認された焼身抗議者の数は25人となる。内死亡者は18人。甘粛省で初めての焼身抗議。女子学生の焼身も初めてである。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)