チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年3月4日
<速報>ンガバで再び焼身抗議 死亡 初めての一般女性
4日付Tibet Express:http://p.tl/It5Gより。
現地から連絡を受けたダラムサラ・キルティ僧院によれば、今日(4日)現地時間早朝6時半頃、ンガバ・キルティ僧院正面入り口近くにある監視事務所の前で、リンチェン(རིན་ཆེན་)と呼ばれる1人のチベット人女性が中国政府への抗議を示す焼身を行い、その場で死亡した。
リンチェンはンガバ県チャ郷ラルワ村ラムカル家の嫁(རྔ་པ་རྫོང་གཅའ་ཞང་རྭ་རུ་བའི་ལམ་དཀར་ཚང་གི་མནའ་མ་)。父の名はラナ、母の名ラコ。32歳。
彼女は焼身抗議の際、「ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!チベットに自由を!」と叫んだという。その場で死亡した彼女の遺体は僧侶たちにより僧院に運び込まれたが、その後当局に奪い返されたかどうかは不明という。
リンチェンには兄弟が8人いて、その内彼女は上から2番目。彼女の夫は一年前に亡くなった。彼女が亡くなったことにより、最年長13歳から最も幼い子は1歳にも満たないという4人の子供が孤児として残された。
この事件の後、ンガバには以前にも増して保安部隊が増強されたという。
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これまで確認された焼身抗議者は彼女で24人目。
一般女性のケースは初めてである。
死亡確認者は16人。
ンガバにおける焼身者は16人目。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)