チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年2月10日
ダンゴで負傷し山に逃げていたチベット人2人が銃殺される
写真は9日に殺された僧イェシェ・リクセル(40)(写真はRFAより)2枚目は弟のイェシェ・サムドゥップ(38)
9日付Tibet Expressチベット語版:http://p.tl/LNka及び9日付RFA英語版:http://p.tl/JEQ2 によれば、
昨日9日早朝、ダンゴで兄弟2人が保安部隊により銃殺された。
ダンゴ僧院僧侶である兄イェシェ・リクセル(ཡེ་ཤེས་རིག་གསལ་40)と弟イェシェ・サムドゥップ(ཡེ་ཤེས་བསམ་འགྲུབ་38)は23日の抗議デモに参加した時、当局の発砲により負傷した。その後、他の多くの負傷者と同じく逮捕を逃れるために山に逃げ込んだ。2週間ほどたった昨日、彼らを逮捕しようと山狩りに来た保安部隊に発見され、包囲された後、その場で銃殺された。
この報告を現地から最初に受け取ったTibet Expressの記者と今日話しをした。
彼が言うには「報告者はせっぱ詰まったような、急いだ口調で簡単な報告だけを伝えた。その時の状況など詳しく聞こうとしたが、『危ないし、これ以上話してる時間がない』とすぐに切られた」という。
彼はまた「本当に中国は動物のようにチベット人を殺す。山に狩りに行って、見つけた動物を殺したというわけだ」とコメントした。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)