チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2012年2月10日

再び<焼身抗議> 玉樹州ティドゥ県ラプ郷 22人目

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昨日、抗議行進のニュースをお伝えした、ケグド(ジェクンド、ユシュ、青海省玉樹チベット族自治州)のティドゥ県で8日午後1~2時頃、30歳代の僧侶が1人焼身抗議を行ったという。

ニュースを最初に伝えたのはイギリスベースのfree Tibet の記事は> http://p.tl/8UYm
phayulがこれを引用する形で記事を出している>http://p.tl/a2kx
チベット語ソースではまだ報告が出ていない。

free Tibetによれば、僧侶はラプ僧院の僧侶という。焼身の場所はラプ郷街中のメイン道路上。すぐに保安部隊により連れ去られ生死は不明だが、おそらくまだ死亡してはいないであろうという。

これで、本土における焼身抗議者の数は22人となった。

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と、書いたところで、この件を含むRFA英語版の記事http://p.tl/JEQ2があることを発見。
で、こちらによれば、ティドゥ県ラプ郷で僧侶が焼身したのは8日ではなく9日という。

前日8日にティドゥ県ガトゥ郷でシルカル僧院僧侶を中心に1400人が抗議行進を行った事は昨日伝えたが、この日、同じ県のザトゥ郷でもひと騒動あった。1500~2000人のチベット人がホールに集結して宗教的儀式を行おうとしたが、これを当局により妨害された。これに抗議するために、すでに集まっていた人々はチベットの自由と法王の帰還を求めるスローガンを叫び始め、同じチベット人でありながら保安部隊となりチベット人に銃口を向けているチベット人たちを非難する言葉を投げかけた。一旦緊張が高まったが、保安部隊は発砲することはなかった。

このように8日、2カ所で抗議活動があった後。シルカル僧院とは山一つ隔てたラプ僧院の僧院長とラマ(高僧)が拘束されジェクンドに連れて行かれた。ラプ僧院の僧侶や地域のチベット人たちは「もしも今日中に僧院長たちが解放されなければ、必ず抗議デモを行おう」と相談していたという。

そのような状況の中でラプ僧院の僧侶1人が9日に焼身抗議を行ったと思われる。

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追記:Tibet Times によれば、焼身した僧侶の名前はソナム・ラプヤン(37)という。
また、焼身の日にちをTibet Timesは8日とする。http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=5542

追記2:表題に「22人目」と書いたが、ソナム・ラプヤンの焼身抗議が8日の午後1~2時であるならば、同じ8日にンガバでリクジン・ドルジェが焼身したのが、午後6時頃と伝えられているので、正確にはソナムが21人目、リクジンが22人目ということになる。

追記3:亡命議会もソナムの焼身は8日と発表した。RFA英語版だけが「木曜日(9日)」と書いているが、これは通報者の間違いではなかったかと思われる。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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