チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2012年1月23日
速報:今朝カム、ダンゴで大規模デモ、当局の発砲により2人死亡か?(続報追記あり)
今日付けTibet Express チベット語版http://p.tl/A7YLが伝える所によれば、今朝カム、ダンゴབྲག་མགོ་で農民、遊牧民が中心となり大規模な平和的抗議デモが行われた。当局はこれに対し無差別発砲、少なくとも2人が被弾し死亡したという。
現地からの報告によれば、最近街中に「4人のチベット人が焼身抗議する用意がある」というチラシが張り出された。これに反応し、当局は今日チベット人200人あまりをランダムに拘束した。これを契機にダンゴ、ルゴクマལུ་ཁོག་མ་とノルワནོར་པ་の農民、遊牧民を中心に大勢のチベット人が抗議デモを行った。「チベット独立!」と叫び、チベットの国旗を手にする者もいた。
これに対し、当局は発砲し、少なくとも2人が被弾死亡したという。他にも大勢が死亡したとの報告もあるが、現在のところ確認できていない。
カム、ダンゴと言えば、「最近、法王の言葉に従い、武器や毛皮を僧院に持ち込み破棄した」というニュースが昨日のRFA に出ていた。http://p.tl/WI9P 写真左:刀を捨て非暴力の闘いを誓ったのかも知れない。
それにしても、今回も当局が不当逮捕により市民を怒らせたとしか思えない。続報があれば、お伝えする。
追記1:他ソースによるTibet Times http://p.tl/eOEpによれば、死亡したのは1人で、ユンテンという俗人。ダンゴ僧院に運び込まれた。他3人の僧侶が被弾し重傷を負ったと。
追記2:free Tibetによれば、軍に射殺されたのはノルパ村のノルパ・ユンテン、49歳と。その他約30人が負傷。
VOT中文を@uralungtaさんが翻訳して下さったところによれば、「数千人のチベット人が中国農暦新年元日に大規模な平和的抗議活動」。デモはダンゴ全体に広がっており、局面は悪化の一途を辿っている。「ダンゴのある尼僧院でも非暴力デモが起き、多くの人は状況がさらに悪化することを懸念している。今までに伝えられたところでは、非暴力抗議デモはダンゴのすべての集落に広がり、彼らはチベットの自由を主な主張としてデモ行進をしているようだ」と。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)