チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2012年1月17日

ゴロ:ダルラとペマ、カンゼ:セルタで抗議デモ その他

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以下、昨日と今日チベット内地から伝えられて来たニュースの内、主なものを報告する。

004ゴロ、ダルラでソバ・リンポチェの葬儀が当局により禁止。これに対し抗議デモ。
15日にはアムド、ゴロ、ダルラ(མགོ་ལོག་དར་ལག་རྫོང་果洛チベット族自治州達日県)で8日に焼身抗議を行いその場で死亡したトゥルク・ソナム・ワンギェル(ソバབསོད་བྷ་・リンポチェ)の葬儀が行われるはずであった。葬儀に出席するために2~3000人のチベット人が集まったという。しかし、葬儀は当局により禁止され大勢の武装警官と軍隊が集まったチベット人たちを蹴散らし、17日付Tibet Times http://p.tl/Ui3nによれば当局はリンポチェの遺体も奪ったという。これに怒り、大勢のチベット人が抗議の声を上げデモを行ったという。しかし、今日のVOT放送によれば、当局の介入はあったが葬儀は行われたという。

AjRz-GPCQAAqZNdゴロ、ペマでも抗議デモ
同じく15日、ダルラ県の南にあるペマ県པདྨ་རྫོང་ペマではソバ・リンポチェの葬儀が禁止されたことに抗議してチベット人約100人(RFAでは3~40人)が「ダライ・ラマ法王の長寿を!ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!」等のスローガンを叫ぶ平和的デモを行った。この際、当局は写真やビデオを沢山撮ったが、その場で拘束者はでなかったという。
Tibet Timesによれば、デモは3度行われ、500人程参加。ルンタを投げ上げたり、ダライ・ラマ法王の写真も掲げられたという。
この部分参照:16日付RFAチベット語版http://p.tl/r5BN
16日付VOT中国語版http://p.tl/wdWU
17日付Tibet Timesチベット語版 http://p.tl/Ui3n

serta-305カンゼ、セルタで独立要求のデモ
16日にはカム、カンゼチベット族自治州セルタ(གསེར་རྟ་རྫོང་色達)で昼12時過ぎ頃にショロックཞོ་རོགས་དགོན་པ僧院の2人の僧侶が街中でルンタを投げ上げながら「チベットの独立を!」との叫びを上げた。すぐに4、5人の警官が駆けつけ彼らを殴り倒し、激しい暴力を振るった。周りでこれを見たチベット人たちはそのやり方に怒り、数百人のチベット人が集まり、2人の僧侶を警官から奪い返した。その後チベット人たちは「チベットに独立を!ダライ・ラマ法王の帰還を!」等のスローガンを叫びながら平和的行進を行ったという。
この部分参照:16日付RFAチベット語版http://p.tl/1Hcm
17日付Tibet Timesチベット語版 http://p.tl/JikP
17日付CBSNEWS 英語http://p.tl/CLZD

カンゼ:ロサを強要
昨日のVOTチベット語放送によれば、カンゼでは相継ぐ焼身抗議への連帯を示すために地域のチベット人たちは今年のロサ(チベット新年)を祝わないことを示し合わせているという。しかし、このことを知った当局はロサを祝わせようと、買収を試みている。ロサを祝うチベット人に対して1家族当たり500元、1人当たり200元を与えると発表した。しかし、チベット人の99%はこれを拒否しているという。

tibet-festival-305ギャンツェ:猛獣服着用を強要
16日付RFAチベット語版http://p.tl/exDiによれば、チベット自治区ギャンツェ地区のチベット人に対し、当局は今年の終わり(チベット暦)に行われる農民恒例の祭りの際、必ずトラやヒョウなどの毛皮が付いたチベット服を着て参加するよう命令したという。この話を聞いたチベット人たちの内、小心な者たちはどうして良いか分らず、中には遠くまで行ってそのような服を借りて来る者もいるという。

ゴロで再び焼身抗議か?
昨夜VOAはそのチベット語放送中に入ったニュースとして、「16日の19時頃2人のチベット人僧侶がゴロのダルラで焼身抗議を行った」という情報を伝えた。しかし、今の所、他のメディアはこの事を伝えていない。未確認情報としておく。

その他、14日の焼身抗議の後ンガバでは大きな衝突があり、武装警官や軍隊の発砲により大勢の死傷者がでたというが、その後続報が入っていないことは気になる。

追記:イギリスに本部を置くFree Tibet http://p.tl/0t1Dは先ほど、14日にンガバで焼身抗議を行った俗人の名前が判明したと報じた。名前はロプサン・タシ或はジャミヤンという。20歳前半。元アドゥ・ゴン・ガマ僧院僧侶と。また彼がその場で殴り殺されたことも確認されたという。
彼が死亡したとすれば、これまでに内地で焼身抗議を行った17人の内、12人が死亡したことになる。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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