チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2012年1月4日

カーラチャクラ灌頂に先立つ前行法話始まる

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_DSC9028今日(4日)の午後から灌頂前の顕教中心の教えが始まった。
昨日から法王は参加者の内、ヒマラヤ地域から来た人たち、チベット本土から人たち、台湾と中国本土から来た人たちを別々に呼び会場でそれぞれに挨拶と共に短いお話をされた。今日の朝は63カ国から来たという外人が集められた。法王は一つ一つの国の名前を読み上げながら、その国の人たちに手を上げさせ人数や顔ぶれを確認された。法王に呼び出されたそれぞれの国の人たちは、手を上げるとともに大きな歓声を上げていた。もちろん日本人は人数に比べ比較的歓声の音量は控えめであった。

_DSC9124参加者中法王の次に有名な人、リチャード・ギア氏。壇上一番外側の目立つ席に座っていた。周りは亡命政府大臣たち。なかなか報道陣の方を向いてくれなかったが、ダラムサラの名物カメラマン、ロプサン・ワンギェルの「リチャード!リチャード!」の大声に反応、カメラの方を向き、手を振り愛嬌を振り舞うというシーン。

_DSC9078隣に座る亡命政府外務大臣デキ・チュヤン女史と話が弾むリチャード氏。

_DSC9203入場された法王と握手するリチャード。

_DSC9279ティーチングの前にゲストとしてマハトマ・ガンディのお孫さんであり、ガンディの非暴力主義を宣揚する運動を行われているエラ・ガンディ女史が壇上に登場。女史と法王が非暴力の闘いに関するスピーチをされた。

本来は今年、南アフリカで受賞すべき賞であった「マハトマ・ガンディ国際賞」であったが、南アフリカ政府がビザを発行しなかったが故に法王はこの賞を受賞できなかった。その賞を今日、孫のエラ・ガンディ女史から贈られたのであった。


_DSC9295法王からは女史へ仏像が贈られる。

_DSC9405力強く非暴力の闘いの正当性を説き、「私は死ぬまで非暴力を貫く」と誓う法王。

この後、ティーチングが始まる。法王はいつものように最初に仏教と他の宗教の教義、哲学上の違いを説明され、仏教のみの教え「空観」について人無我の分析方法を説きながら、軽く触れられた。「我」に初めと終わりがあるかについても仏教と他の宗教との差を説明。いつものように大乗・密教非仏説説を否定する論考も示された。

テキストに入られまずカマラシーラの「ゴムリム・バルワ、修習次第中編」の初め数ページを説明された。

_DSC9536ティーチングが終った後、センゲ首相がチベットの現況を報告した。

_DSC9560センゲ氏がチベットにおける焼身抗議者の名前を読み上げ始めると、法王のお顔が俄に曇り、非常に苦しげな、深い悲しみの表情となった。

_DSC9597こんなにも悲しげな法王のお顔を見たことがない…….

最後に焼身抗議を行い亡くなった人たちを供養し、その他行方不明となった人々の安寧を祈るために、法王を導師とし、会場に集うすべての高僧、一般僧尼、俗人が大唱和する長い祈祷会が行われた。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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