チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年12月4日
08年蜂起に関わったとして長期拘束・拷問の後、2人の僧侶に長期刑
甘粛省当局は2008年の蜂起に関わったとして2人の僧侶に長期刑を言い渡した。
現地からRFAに入った情報によれば、最近、甘粛省、ケンロ(ཀན་ལྷོ་ཁུལ་甘南チベット族自治州)ツォネ県ཅོ་ནེ་རྫོང་、チュペル郷ཆོས་དཔལ་ཞིང་にあるタシ・チュコルリンཀྲ་ཤིས་ཆོས་འཁོར་གླིང་僧院の僧侶テンジン・ギャツォ(བསྟན་འཛིན་རྒྱ་མཚོ་40)に15年、同名テンジン・ギャツォ(24)に13年の刑が言い渡された。判決の日付、罪状は不明。現地当局に問い合わせても応答がないという。
「2008年、この僧院では500人の僧侶の内300人が抗議デモに参加し、全員拘束された」
「その後、254人の僧侶が序々に解放された。短いものは10日~14日、5ヶ月~6ヶ月後に解放された者も多い」
「拘束中に多くの者が激しい拷問を受けた。全員十分な衣服と食料を与えられなかった」
「拘置所の監視員は飢えに苦しむ彼らの前にツァンパや他の食い物を見せびらかしながら、『ダライや国連がお前たちを食わせてくれるか?幸せにしてくれたのか?』と問いただした」という。
最近刑期を受けた僧侶も2008年に拘束された300人の内の2人だと現地報告者はいう。
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参照:2日付けRFA英語版http://p.tl/lugQ
残り46人が刑期を受けたか、今も拘留されたままということか……
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)