チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年11月18日
「ジクデル(恐怖を乗り越えて)」の制作者ドゥンドゥップ・ワンチェンの仲間拘束
18日付けTCHRDプレスリリースより。 http://p.tl/gvjb
11月1日、午後3時頃、ラテン(ལྷ་བརྟན་)は息子が通う小学校の中国人女教師からの電話を受け取った。「息子さんを引き取りに来て下さい」と言う。彼が学校に着くと、そこには数人の私服警官が待っていた。彼はそのまま黒い車に連れ込まれた。
ラテンは44歳前後。2008年の北京オリンピックを前にドキュメンタリーフィルム「ジクデル(邦題:恐怖を乗り越えて)」を制作し、国家転覆罪で6年の刑を受けたドゥンドゥップ・ワンチェンと関係を持っていたと疑われたらしい。
ラテンは農民であり、家族の唯一の働き手。妻パッサン・チュドゥンと3人の子と共にラサ地区タクツェ県(སྟག་རྩེ་རྫོང་)、シンツァン村に住んでいた。
突然連れ去られた後、今も彼の行方は不明のままである。
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なぜ、今頃ドゥンドゥップ・ワンチェンに関わっていたとして拘束されるのか不思議ではある。
ドゥンドゥップ・ワンチェンの妻ラモ・ツォは今、夫や他の政治犯の解放を訴えるためにヨーロッパツアー中である。
彼が「ジクデル」の中で話をしているかどうかは今確認できないが、以下のABC Newsの中で顔を出し短い話をしている事は確かだ。2:00~
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)