チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年11月9日
キルティ僧院僧侶2人拘束 18歳未満を中国の学校に入れよと命令
拘束された僧ユンテン(19)
以下、8日付けダラムサラ・キルティ僧院プレスリリースより。
今月4日にンガバ・キルティ僧院僧侶ユンテン、6日に僧侶ロペが当局により拘束された。
4日午前10時頃、ンガバ、チュクレー・カップメ、カカ家の子ンガバ・キルティ僧院僧侶ユンテン(19)が僧院内の僧房で拘束され連れ去られた。また、6日午後3時頃ンガバ、ティンケンの僧ロペ(21)が同じく僧院内で拘束された。2人の行方、拘束の理由ともに不明。
最近ンガバ全域において中国の役人が家々を一軒ずつ訪ねながら、18歳以下の子供は全て政治教育を受けさせるために中国政府の学校に送るよう命令しているという。これに従わない場合は子供一人に付き3000元の罰金を払えという。「子供は僧侶となり僧院に行っている」と言っても聞き入れられず、必ず中国の学校に入れろと命令する。子供を僧院から引き取り中国の学校に送るしかないという家族も出ている。
僧ロペ(21)
町には制服を着た保安要員と平服を着た保安要員が大勢いて、厳戒態勢が続いている。キルティ僧院の中には200人ほどの保安要員が常住し、愛国教育と僧侶の見張りを続けている。
参考:9日付けTibet Times チベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=5115
9日付けTibet Net 英語版http://p.tl/j54K
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)