チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年11月3日
今日、再び尼僧が抗議の焼身自殺・死亡 今年11人目
今日、現地時間12時頃(12時40分頃との情報もある)カム、カンゼチベット族自治州タウ、ジャンジュップ・チュリン(བྱང་ཆུབ་ཆོས་གླིང་ガンデン・チュリン/ダルカル・チュリンとも呼ばれる)の尼僧パルデン・チュツォ(དཔལ་ལྡན་ཆོས་མཚོ
チュンサン)、35歳が抗議の焼身自殺を行い、死亡。
チベット亡命議会議員ジャミヤン・スパが伝えるところによれば、彼女はタウ県ドツォ郷ドンツォ村出身。父ゾナと母クレンの娘( ཁམས་རྟའུ་རྫོང་བྲོ་ཆོ་གྲོང་ཚོ་ནས་ཡིན་པ་ཕ་ཇོ་ནའི་དང་མ་ཀོས་ལན་གཉིས་ཀྱི་བུ་མོ། )。タウではナムギェル仏塔のそばで人々が集まりニュンネ(断食)の行が行われていた。その場所はニンツォ僧院(ཉ་མཚོ་དགོན་པ་)に近く8月15日に僧ツェワン・ノルブ(ཚེ་དབང་ནོར་བུ་)が抗議の焼身自殺を行った場所でもあった。
その同じ場所で尼僧パルデン・チュツゥは頭から灯油を掛け焼身を行った。彼女は炎に包まれながらも集まっていた人々に向かい「チベットには自由が必要だ!ダライ・ラマ法王に長寿を!ダライ・ラマ法王をチベットに!」と叫んだという。
炎の勢い強く彼女はその場で死亡したという。チベット人たちは遺体を近くのニンツォ僧院に運び込んだ。
現在、武装警官隊が僧院を包囲し僧侶たちに遺体を引き渡すよう要求しているという。地域の尼僧や僧侶、一般チベット人も僧院に続々僧院に集まり、武装警官隊との緊張が高まっているという。
ダラムサラではこれから彼女を追悼するためキャンドルライトビジルと集会が行われる。
参照:3日付けTibet Net http://tibet.net/tb/2011/11/03/ཁམས་རྟའུ་བྱང་ཆུབ་ཆོས་ག/
3日付け phayul http://p.tl/zryE
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)