チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年10月13日
またもチベット人歌手拘束、行方不明
チュゴンの法王の帰還を待ちわびる歌。
10月11日、チベット亡命政府に内地から入った確かな情報によれば、チベット人歌手チュゴン(ཆོས་མགོན་19)が、9月25日ラサで突然、公安により拘束された。
彼はカム、ジョンダ(འཇོ་མདའ་)の出身。まだ若いがチベットでは非常に人気の高い歌手だという。ニックネームは有名歌手「クンガ」にちなみ「小さなクンガ(ཀུན་དགའ་ཆུང་བ་)」と呼ばれている。
彼はラサで行われていた歌謡コンペに出席するために、カムからラサに出向いていた。歌謡コンペの最中突然拘束されたという。親戚、友人は彼の行方を追っているが、今も行方知れずという。
彼の歌の中には確かにダライ・ラマ法王のチベット帰還を願う歌やチベットの連帯を訴える歌(上のyoutube 「UNITY」歌詞の日本語訳>http://blog.livedoor.jp/rftibet/tag/ラサ)もある。しかし、このような歌は多くのチベット人歌手が歌っているものであり、特にこのように若い彼がどうして当局の拘束の対象となったのかは腑に落ちないところである。
同じくチベットの人気女性歌手で、8月20日にアムドのツォエで拘束されたラルン・ツォも未だ行方不明のままである。http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51695981.html
参照:11日付けTibet Netチベット語版 http://tibet.net/tb/2011/10/11/བོད་རིགས་ན་གཞོན་གཞས་པ་/
12日付けdossiertibet 英語版 http://www.dossiertibet.it/node/11240
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)