チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年10月9日
SAVE TIBETANS LIVES
昨夜、ダラムサラで行われたキャンドル・ライト・ビジル。小学校の校庭にローソクの光で「SAVE TIBETANS LIVES」と描かれた。
このところ連続して起こるチベット人の抗議の焼身自殺を止めるには、世界中の支援者が声を上げ、中国の政策を変えさせるしかないという思いである。
集会では最初に焼身自殺により死亡してしまった僧侶たちの冥福を祈るため黙祷が捧げられた。その後、ダラムサラ・キルティ僧院の僧ロプサン・イシェが、これまで焼身自殺を行った人々について詳しい説明を行う。7日に焼身自殺した2人の元キルティ僧院僧侶の内、カヤンは死亡したとンガバの人々は信じ、8日にはほぼすべての商店、飲食店が喪に伏すために店を閉めているということも報告もされた。
7日に焼身自殺を計った2人、カヤンとチュペルについて、新華社電は7日付けで「2人は病院で治療を受けており、命に別状はない」と伝えた。また2人の名前と歳を「トゥンケン(18)とテンジン(20)」とした。これについてダラムサラ・キルティ僧院の僧カヤック・ツェリンはVOT放送の中で「中国が焼身自殺を計った者等の名前や歳を偽って伝えることはよく有ることだ。こちらは出身地や親の名前も確認し、確かな情報を伝えている」とコメントしていた。
8日付けRFAチベット語版http://p.tl/kiuLによれば、現地情報として、7日に焼身自殺した2人の内、カヤン(18)はバルカムの病院で8日に死亡したという。また、チュペルも重体と。
これとは別に、昨日8日中国のツイッター上に「また今日ンガバで今度は1人の女性が焼身自殺した」という情報が流れた。
もっとも、今までのところダラムサラのキルティ僧院もこの事実を確認しておらず、誤報の可能性ありだ。
相次ぐ焼身自殺を食う止めようと、今、世界中のチベット支援者たちは、各政府へのロビー活動、署名運動、中国大使館への抗議デモ等を活発に行っている。
世界の180の支援団体を繋ぐITN(国際チベットネットワーク)では、来る11月3/4日にフランスで中国の胡錦濤も参加して行われるG20サミットの前日である11月2日に世界中で一斉にチベット支援のキャンペーンを行うことを提唱している。
その統一スローガンは「ENOUGH! Global Intervention to Save Tibetan Lives もう十分だ!チベット人の命を守るために国際的介入を」である。
それぞれの政府を動かし、サミット参加国がチベットの人権抑圧を議題とし、中国にそのチベット政策の変更を迫ることが目的である。phayulに関連記事あり>http://p.tl/_2Lq
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)