チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年10月2日
国慶節にカム、セルタで抗議デモ
昨日10月1日は中国共産党の建国62周年記念日(国慶節)であったが、これに合わせるように、カム、カンゼチベット族自治州のセルタ(གསེར་རྟ་)でチベット人たちがチベットの自由を求めるデモを行った。
RFAに現地目撃者の報告として伝えられたところによれば、1日の12時頃、まずセルタ市内の4階建てのビルの屋上で10数人の俗人チベット人が大きなチベット国旗とダライ・ラマ法王の写真を掲げ「チベットに自由を!ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!」等のスローガンを叫んだ。
15分ほどして30人ほどの警官隊が現場に駆けつけ、チベット国旗と法王の写真が地上に投げ捨てられた。それを見て大勢のチベット人が集まり、警官たちが屋上で旗を降った者たちを拘束するのを阻止した。また、集まった群衆はチベットの自由を訴えるスローガン等を叫び抗議のデモを行った。デモは15分ほど続いたという。
今日、セルタでは法王の写真が印刷され法王の帰還とチベット人の自由を訴えるパンフレットが配られた。同種のパンフレットは先週、セルタの3つの地区で配られたという。
現在までのところ、この事件に関連した拘束者は報告されていない。
参照:RFAチベット語版http://p.tl/NcrD
RFA英語版http://p.tl/GQVG
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)