チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年9月12日
ダライ・ラマ法王メキシコでリチャード・ギア氏と共にチベット展のテープカット
12日付けphayulhttp://p.tl/CNPf
先の土曜日メキシコシティーで、ダライ・ラマ法王は長年の友人でありチベット問題支援者でもあるリチャード・ギア氏と共に「チベット:失われし国家の記憶」と題された展覧会のオープンテープを切られた。
展覧会は「記憶と寛容ミュージアム」の中で行われ、「中国の支配下にあるチベットの真の姿」および「ダライ・ラマ法王の伝記」がハイライトされている。
展覧会の開会式におけるスピーチで、200人以上のゲストとメディア関係者を前に法王は、多くの人々を啓蒙し、関心を引き出すために如何にミュージアムが重要かについて話された。
開会式の後、チベットのリーダーはメトロポリタン劇場で3500人の聴衆を前にゲシェ・ランリ・タンパ(1054~1123)の「8偈による心の訓練」のティーチングを行われた。
スペイン語圏最大のマスメディアTelevisaとのインタビューの中で法王はメキシコ人は「非常に優しく、ナイスな人々だ」とコメントされた。
メキシコの現状観察に対するコメントを求められ、法王はメキシコの「本当の姿」はメディアが伝える「暴力に満ちた国」とはかけ離れたものであると語られた。
「一握りの者たちが暴力に関わっているだけで、他の大多数の人々は平和的だ」と述べられた。
メキシコ訪問は今回で3度目である76歳のノーベル平和賞受賞者は、先週金曜日メキシコ大統領フェリペ・カルデロン氏と会談した。
メキシコの後、ダライ・ラマ法王は水曜日にアルゼンチンに向かわれ、首都ブエノスアイレスで一般講演を行われる。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)