チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年8月14日
先導獣(ཁྱུ་མཆོག་)センゲ(雪獅子སེང་གེ་)新首相
2008年9月1日に制作者であるLhaksamによってyoutubeにアップされた「UNITED TIBET」。映像の始めに2008年のチベット蜂起を受けアメリカで行われた集会における新首相ロブサン・センゲ氏のスピーチがフィーチャーされている。
この映像は、中国版Twitterといえる微博にも流され、チベットの人々も見る事ができたと思われる。
センゲ氏の先導獣としての一面がよく現れている。
彼のスピーチの部分のみ以下に訳してみた。
我々はチベット人の勇気を讃えるためにここに集う。
殺されてしまった者、監獄にいる者たちを。
我々は、自らの命を犠牲にした150人に、チベットに残り戦う多くの人々に感謝を示すためにここに集う。
150人のチベットを思い出すために。
ラサの谷から、アムドの湖から、カムの森から、我々は皆信念を心に固める。
我々に銃はない、しかし我々には銃の前に立ちはだかり、銃弾を握る勇気がある。
彼らは立ち上がり、言った。「我々には戦車はない。しかし、我々には戦車の前に立ちはだかる信念がある」と。
彼らは立ち上がり、言った。「我々には軍隊はない。しかし、我々には中国の強大な軍隊の前に立つガッツがある」と。
彼らは立ち上がり、言った。「真理は我々の側にあるからだ」と。
「真理」、それは、アムドから、カムから、ウツァンから、共通の団結したチベット人のスローガン、「ダライ・ラマ法王に長寿を!」。
我々はダライ・ラマ法王がその生誕の地に帰還することを、法王が属する地に帰還することを、法王を心より信じる人々の元に帰還することを願う。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)