チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年8月11日
チベット内地より新首相就任を祝う大勢の声が届けられた
8月8日、センゲ氏の首相就任式が行われた日、RFAチベット語放送局へチベット内地より、彼の就任を祝う声が電話で伝えられた。
チベット語を解する人は是非以下にアクセスして直接彼らの声を聞いてほしい。
http://p.tl/7_Ka
(ただし、放送の中では相手の安全を考慮して、名前や地名が削除され、声質も変えられている部分もある)
8日に新首相就任式が行われることは内地でも広く知られていたという。多くのチベット人がこの日朝早くから僧院や聖地に出かけ、新首相への祝意を示すために焼香を行ったり、新しいタルチョを掛けたと言う。学生の中には学校をさぼり、新首相の前途の成功を祈るために僧院に向かった者もいたらしい。
放送の中では若者中心に開かれた秘密の祝賀会の様子が紹介され、そこでそれぞれが祝辞を述べるとともに、チベット各地からの祝いの言葉が電話を通じ伝えられた。ウツァン、カム、アムドからの農民、遊牧民、僧侶、学生など20人の声が流された。
メッセージの多くには、民主的選挙によって選ばれた若きリーダーによる自由への戦いへの熱い期待が込められていた。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)