チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年6月8日
カンゼで6日に2人、7日に1人の僧侶が抗議デモ
6月7日付けRFA英語版:http://p.tl/feGw
同チベット語版:http://p.tl/EeVL によれば、
カム、カンゼ(དཀར་མཛེས་甘孜)市内で今月6日と7日、相次いで僧侶が中国政府に対する抗議デモを行った。何れも、間もなく激しい暴行と共に逮捕された。
匿名希望の現地チベット人はRFAに対し「6月6日、午後2時半ごろ、警察本部があるカンゼ市内のド・センゲに2人の僧侶が現れた」。「2人はカンゼ僧院のツェワン・タシとギュメ・ソナム、どちらも18歳だ」と報告した。
「彼らはダライ・ラマ法王の長寿とチベットへの帰還を訴え、『チベットに自由を!』とも叫んだ。叫びながら空に向けチラシを投げ上げた」という。
「すぐに警官が駆けつけ、鉄のこん棒で殴りつけ、彼らを逮捕した。路面には血痕が残されていたと聞いた」
彼らに連帯を示すため、次の日の昼ごろ、カンゼの中心街で1人の僧侶が同様のデモを行い、暴行の後、逮捕された。
「今日、6月7日の真昼時、ウーセル・プンツォという僧侶が町の中心街に突然現れ、スローガンを叫んだ」と現地と連絡を取ったインドに住む元政治犯テンジン・ナムギェルは話す。
「前日に事件があったので町には大勢の武装警官が至る所にいた。ウーセル・プンツォは激しい暴行を受け拘束され、連れ去られた」
「これを目撃していた多くのチベット人たちは逮捕された僧侶への支持を示し、不快感を露にした」という。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)