チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年6月13日
ンガバ・キルティ僧院僧侶トゥサムの自殺(2008年4月)
再掲:2008年4月23日分。
22日付委員会プレスリリースPress Release 22nd April 2008 http://www.stoptibetcrisis.net/pr220408.htmlより。
4月16日アムド、ンガバ・キルティ僧院の一僧侶トゥサム29歳は、今回の中国によるチベット人に対する弾圧からくる極度の緊張に、これ以上耐えられない、と言って自殺した。
彼は元々目が悪かった。死ぬ前に彼は親戚の一人に次のように語ったという。
「ちゃんと目の見えるチベット人でさえ、中国によって打ちのめされる今のチベットの状況に誰もが耐えがたい思いを抱いている。私は目が見えないけれど、目が見える人と同じか、それ以上に耐え難い思いを抱いているのだよ」と。
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私が今までに見聞きした情報だけで、自殺者の数は20人を超える。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)