チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年3月27日
亡命チベット人の子どもたちの楽しみ「メーラ」
昨日と今日ダラムサラのTCV(チベット子ども村)ではメーラが行われた。
メーラというのはヒンディー語で「お祭り」。
お祭りと言っても大したイベントがある訳ではない。ただ、この日は校庭にそれぞれのホームが企画したちょっとしたゲーム屋や屋台が立つ。
例えば、1枚目の写真は輪投屋。一回5ルピーで挑戦。輪が品物に入ればそのジュースやら石けん、筆箱、シャンプー、チョコレートが貰える。
上がりはそのホームの小遣いとなる。
人気が高いのが、写真のルーレット等の賭け。
町から駆けつけた大人も参加していい。
チベットのがきんちょの特徴は大人に遠慮しない事。
ここの大人が子どもっぽいのか、子どもが大人っぽいのか知らないが、まるで、すぐ仲間として扱う。
広場では、至る所で水風船が飛び交う。知らない大人であろうと遠慮なく投げつけてくる。当たると、大喜びして笑い飛ばす。
で、このTCVダラムサラ校には現在2200人の子どもたちが学んでいる。その内200人位は町に家族や親戚がいて通学して来る子。
その他の2000人はチベット内地から亡命して来たか、ラダック、シッキム、ネパール、ブータンの田舎から送られて来た子。ほとんどはチベットから来た子たちだ。みんなホーム(キムツァン)と呼ばれる寮で暮らす。
議会議長も家族連れで登場。
近づき、法王引退の件について聞こうとすると「もう終わったんだよ。今日は仕事の話は無し。遊びに来たんだから」と言われてしまった。
これは内の初孫!!!
隣で怖いサングラス掛けてるのが内の息子。
息子もこのTCVの卒業生。最近は東京に住んでるが、今回の地震、原発騒ぎで外資系の会社の外人が全員避難してしまい、会社はまともに動いてない。じゃ、この際里帰りしようと、このダラムサラまで7年振りに難民となって帰って来た。一週間だけだけど。
息子が子どもを1人里親したいと選んだ子(というか学校が決めた子)が真ん中の女の子。
カム、ニャロンの子で2008年、6歳のとき越境したという。
笑顔が最高にいい!
これから、内の孫として可愛がることにする。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)