チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年2月22日
続・中国のジャスミン革命
アラブ諸国の革命が広がる中、中国当局の神経質さ、戦々恐々振りはひどくなるばかり。「ジャスミン」の言葉が禁句となり、ネットから抹殺された。
胡錦濤が2006年のケニア訪問の際、中国の歌「茉莉花(ジャスミン)」を歌ったニュース映像が中国中央テレビや新華社通信のネット上で見られなくなるという笑い話まで伝わっている。
ハルピンで日曜日の集会に参加し「中国共産党は腐敗している」などと演説しその場で逮捕された女性について日本語の記事がでていた。
以下まずこれをコピペする。
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<女性拘束、懲役10年も 中国集会で体制批判>
2011.2.22 18:37
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110222/chn11022218450003-n1.htm
写真:20日午後、上海市内の人民広場近くに集まった若者を連行する公安関係者。上海では少なくとも3人の中国人男性が身柄を拘束された(河崎真澄撮影)
中国国内で政治改革などを求める集会の開催呼び掛けに応じ、中国黒竜江省ハルビン市で20日、体制批判の演説をした地元女性が拘束され、「国家政権転覆」容疑で勾留されていることが22日、分かった。有罪になれば懲役10年以上が予想されるという。香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターが22日、伝えた。
20日の集会で拘束された人の処遇などが伝えられるのは初めて。女性が実際に罪に問われる事態になれば、中国への国際的批判があらためて高まるのは必至だ。
同センターが女性の元夫の話を基に伝えたところでは、女性は梁海怡さん(35)。20日午後、ハルビン市内で群衆に向かって中国共産党は腐敗しているなどと演説、公安当局者に連行された。(共同)
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様々な反応を引き起こした、今回の「中国のジャスミン革命」騒動はこれで、おしまいではないらしい。
今日、この「集会の発起人」という人たちが新たな声明を発表した。
http://www.boxunblog.com/2011/02/blog-post_22.html
この中で発起人たちはこの呼びかけの影響で当局に予備拘束された100名以上の民主活動家、人権擁護弁護士たちの名前を上げ、「この人たちは自分たちとは全く関係がないので、直ちに解放されるべきだ」と述べている。
流石に、自分たちの呼びかけにより、今まで地道に民主化の活動を行って来た人たちに迷惑が及んだことを反省しているようである。
「集団自首を討論したが、結論が付かなかった」とも記されている。
だが、活動は続けるべきとして、引き続き日曜毎の集会を呼びかけている。「一部の都市での集会場所は変更されるが、これは水曜日に発表する」とも書かれている。
この声明に対し、下のコメント欄に様々な意見が寄せられている。
支援を表明する者もあるが、中には「あんたらは本気でこれが成功するなどと思っているのか?」と言った批判文も載せられている。
胡錦濤はネット等を積極的に活用し「世論を正しく誘導すべきだ」と発言している。これを機会に政府擁護を仕事とする五毛党なども活発に活動しているようだ。
さっき目にしたGlobal Timesという中国政府系の英字新聞によれば、次の学期から全ての小学校で、毎月3つの旗、つまり中国国旗、共産党青年同盟委員会旗、(共産党)青年先駆者旗に対し愛国心高揚のため敬礼することが義務づけられるという。
http://beijing.globaltimes.cn/society/2011-02/625761.html
ますます、ファッショ化が進む中国である。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)