チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2011年2月9日
アムド、マチュで16歳の少年に1年半、38歳の男性に11年の刑期
昨日のVOT: http://www.vot.org/
RFA: http://www.rfa.org/tibetan/chediklaytsen/amdolaytsen/amdo-stringer/china-sentenced-two-tibetan-from-amdo-machu-02082011144754.html
及び今日付けのphayul.comによれば:
甘粛省甘南チベット族自治州マチュ県中級人民法院は2人のチベット人に懲役刑を言い渡した。この情報は現地と連絡を取ったドルカ・キャップがVOTに伝えたもの。(RFAには現地から別の人が伝えている)
2010年11月14日、16歳の少年トゥプテン・ダルゲは友人の15歳の少年ドペルと共に、マチュ市内で「チベット独立!ダライ・ラマ法王に長寿を!」と声を上げた。2人は直ちに駆けつけた警官に逮捕された。
ドルカによればドペルは懲役刑にはならなかったが、解放されたとき、拷問を受けたらしく、衰弱しきっていたという。刑期を受けなかったのは、年齢のせいではなく、拷問で弱ったからではないかと彼は話す。
ドペルは家族に引き取られたが、家族はその時まで、全く何も知らされていなかった。逮捕の後一度も連絡を受けていなかった。
刑期を受けた16歳のトゥプテン・ダルゲ少年についても、法律で決められた未少年に対する法的手続きは何も取られず、ドルカによれば「トゥプテンの家族は法律で決められた、逮捕状等一切の書類を見せられた事もなく、拘留中も面会を許されず、裁判にも呼ばれなかった」という。
また、同じマチュの裁判所では2010年11月26日、ゴシュル・ロプサン(38)に11年の刑が言い渡された。彼は2008年に反中国活動を行ったとされ、2010年9月10日に逮捕されていた。彼の家族は貧しく、妻と9歳になる男の子がいるという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)