チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年12月1日
ジェ・ツォンカパの命日/灯明祭
今夜が本当のジェ・リンポチェ(ジェ・ツォンカパ)の命日、灯明祭だった。
「昨日は間違ってすまない」と下のアニラ(尼さん)たち、今夜は色とりどりのキャンドルをもっと沢山灯して、お経を上げていた。
今日は夕食に珍しく肉が入ってた。
私「はは~~、今日はツクラカンでみんな500Rsづつ貰ったからだろう。見たぞ!」
アニラたち「そうよ。ロシア・グループはすごいよ。お経やノートも配られたし。こんなの滅多にないよ。この前の台湾グループはちょっとしかなかった。ベトナムの時はまあまあ多かった」と、やっぱお布施が多いと嬉しいのだ。
この辺の僧侶や尼僧が現金を手にするのはこんな法会の機会しかない。
最近、この辺の僧院や尼僧院はどこも肉なしのベジタリアン食になった。
外に出た時にはやっぱチベット人は肉を食べたいらしい。
チベット本土では、キャンドルや豆電灯を灯明代わりにする事は決してしないで、ちゃんと本物のヤクバターの灯明を灯すそうだ。
左の写真と下2枚は2008年のラサ灯明祭。
@yuntaitai(雲南太郎)さんが撮影されたものだ。
ジョカン前に恐ろしいほど沢山の保安要員が配備されているのが判る。
2008年ラサの灯明祭/ジョカン前。@yuntaitai
こんな事になっちゃった自分の命日を見たら、ジェ・ツォンカパは何て思う事だろう。
先ほど、アニラがラサにいる親戚に電話した。
その親戚は、ちょうどその時ジョカンを巡るパルコルを歩いているところだった。
アニラ「パルコルはどんな?」
親戚「ああ、人が一杯でまともに歩けないほどだよ。みんな一周することしか許されない。途中何度も警官に止められるよ」
アニラ「見張りの人は沢山いるの?」
親戚「ああ、いっぱいいるよ。道端の出店もみんなかたづけられた」
アニラ「昨夜は風で灯明が消えてしまったって聞いたけど、今夜はどう?」
親戚「今夜は風もなく、周りの家々の窓ベリに沢山灯明が灯ってて本当に綺麗だよ」
ダラムサラのツクラカンでは昨日に引き続き、今日も法王による秘密集会タントラの灌頂が行われた。
写真は昨日撮ったもの。
最近法王の玉座の上にエアコンが取り付けられたらしい。
法王、そのエアコンを調整されていた。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)