チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年11月23日
ジョンダ(江達)で2人の僧侶に重い刑期
写真1枚目:カルマ・パッサン、
2枚目ミパム・ゲレック(Phayul.comより)
今日(11月23日)付け、Phayul.comより。
http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=28608&article=2+Tibetan+monks+sentenced+to+lengthy+prison+term+in+Jomda+county
10月25日、チベット自治区チャムド(昌都)地区ジョンダ(江達)県の中級人民法院はジガル僧院に所属する2人のチベット人僧侶、カルマ・パッサン(26)とミパム・ゲレック(22)にそれぞれ9年半の刑期を言い渡した。
チベット蜂起51周年記念日に当たる今年3月10日、2人が政府車両に火を放ったからだという。
最初、次の日の3月11日、県当局はジガル僧院のカルマと他の2人の僧侶を逮捕した。
3人は県の拘置所に収監されたが、カルマ以外の2人は後に開放された。
その後、ゲレックが逮捕され、カルマとともに収監されていたという。
この事件の背景には2009年に、2008年以降の中国政府の弾圧に対する抵抗の印としてチベット各地で行われた「耕作拒否運動」がある。
この地区では去年5月、この運動を行っていたツェリンという男性が警官に拳銃で撃たれ負傷し、他の3人、パガ、ラダル、サンガが激しく撲打された後拘束されるという事件が起こっている。
中国政府は彼等を懐柔し、耕作を続けさせるためにトラクター等の耕作機械を与えようとした。
しかし、地元のチベット人たちはこれらの贈り物を受け取る事を拒否した。
情報によれば、彼等が火を放った車両とはこの時政府から支給された車両であったという。
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耕作拒否運動については:過去ブログ
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51197307.html
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51410215.html
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51186148.html
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51185213.html
等。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)