チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年11月1日
ウーセルさんが拘束されそう! 続報あり。
ラサにいる、ウーセルさんから30分前に緊急通報。
http://woeser.middle-way.net/2010/11/blog-post.html
午前11:11、13989990059という番号から私の携帯に電話が掛かってきた。
彼は拉薩市公安局の者だと名乗り、公安局に即刻出頭するよう私に要求。
理由を尋ねた。
なにか事情があるというならば、私に教える必要があるでしょう。
私は行かないと言った。
行かねばならない理由は無い。
彼は当然理由はある、自分が何をしたか判ってるだろうと言った。
私は自分は違法な事など何もしていないと言った。
私はあなたがたが来たければ来れば良いが、手続が必要だと言った。
彼は、宜しい、手続を持って行く、と言った。
この時からツイッターが使えなくなった。
私のブログを読んで下さっている皆さん、この情報を転送して、ツイッターでも広めて下さい。有難う!
11月1日午前11時40分、ウーセルより
(訳U女史)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大変なことになった!
どうすればいいのか?
遠くて無力感。
オーマニペメフーン。
自分の娘が公安に拘束されるぐらい、悲しく、心配だ。
兎に角今は情報を広めるしか無いか。
今、公安は令状を用意しているところか?
2年前にも同様の事がラサであったが。
ラサに行かなければよかったに。
2008年8月にラサで拘束された時の様子はTimesが伝えている。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article4607454.ece
その日本語訳:
http://banana-cat-cafe.blog.so-net.ne.jp/2008-08-26-3
———————————————————–
左の写真はウーセルさんが10月30日ラサで撮影したもの。
「チベット語の運命」と題されたブログに掲載されている。
http://woeser.middle-way.net/2010/10/blog-post_31.html
続報:日本時間20時半、中国時間19時半現在、まだ公安は動いていないらしく、ウーセルさんは連行されず、無事なようだ。
これまでに、3人がウーセルさんに電話連絡した報告がツイッターに流れている。
その1)@yangpigui 許暉さんが15時前(日本時間、以下同様)に電話。
「さっきウーセルさんに電話、いまのところ何もない。1人にならないようにと忠告した。」<「打过电话,暂时无事。嘱�身边随时有人。」
16時頃ウーセルさんから「短信:帰宅。家の前の交差点にずっと停まってる密封された車の側を通り過ぎる時、盛んにフラッシュが光った。私:写真撮ってくれたのかね? ハハハ 彼女:X線かもね~ ハハハ」
という連絡があったという情報が入ったが、これは何時の事なのか不明。
その2)@kaokaokaokao 福島香織 さんが17時過ごろ電話。
ツイッターに:
「いま、おーせるさんに電話した。いまラサ、午前中に電話でくるといった彼らは来てない。『何もなければ12日に北京に帰るから』『うん、北京でまっている。日本のおかしとか小物とか、お土産もって来てるから!』『じゃあ、ラサのお土産持っていくよ』これだけの会話に泣けてくる」と報告。
その3)同じく @yangpigui: 許暉さんが1時間前に再び電話。
「さきほどオーセル @degewa と電話で話した。今も無事とのこと。どう転ぶのか今は待つだけです。(これまで無事なのは)みなが注目してくれた結果かも。どうせなんなのかよくわからないのだから、しばらくこの件は気にしないことにします、と話していた。」<「仍然安全无事。�说自己就像守株待兔一样。还说会不会是大家关注的结果。反正不知道怎么回事,暂时不理这件事。」
みんなが注目しているということが公安を牽制することに繋がってほしい。
これはただのラサ公安の嫌がらせで、このまま何も無い事を祈る。
ただ、夜中に動くことが得意の公安だ、まだまだ安心できない。
ウーセルさんはその活躍ぶりにより、何時逮捕されてもおかしくない。
ただ、中国ではその有名度が当局の逮捕を免れる要因となることが多い。
北京では拘束されないのに、ラサではこうなる。
ラサの公安はウーセルさんの世界的人気度合いについて認識不足のようだ。
か、或は、もういい加減にしろと、この辺で拘束するつもりか?
もしもの事があれば、世界は黙っていない!
—————————————
先ほど(21時半)入った情報:
chinanews21: 翻訳RT @pufei オーセル女史最新情報:オーセル女史自宅のネット回線はすでに切断された。家の外にはパトカーが待機。各界の注目を呼びかける。
—————————————
1日の夜遅くに、@ura….さんがウーセルさんと連絡をとる。
ウーセルさん曰く「これが私たちの現実です。今は嵐の前の静けさという感じで、努めて平静を保とうとしています。多くの方に関心を持っていただいて感謝しています」。
—————————————-
今日2日のRFA :http://bit.ly/a2Soc7
にウーセルさんがRFAのインタビューに答えている。
電話会話は昨日のもの。
ウーセルさんは公安から電話があった後、北京の弁護士と連絡を取った。
公安は北京の中央公安と連絡を取っているらしい。
他の内容はウーセルさんのブログ報告とほぼ同様。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)