チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年10月7日

「ノーベル平和賞より釈放を」 中国人作家の妻が訴え/1903年、チベットの写真/ディルで鉱山開発とダム建設中止を訴えたチベット人3人が逮捕

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36e2daa6.jpg明日、いよいよ注目のノーベル平和賞が発表される。

その有力候補とされている中国の民主派作家、劉暁波氏の妻に北京で朝日の記者がインタビューした記事を以下にコピペする。

写真:5年前に自分で撮影した劉暁波氏の写真を手に思いを語る劉霞さん=��輕無�、峯村写す

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「ノーベル平和賞より釈放を」 中国人作家の妻が訴え

http://www.asahi.com/international/update/1006/TKY201010060417.html

【北京=峯村健司】8日に発表されるノーベル平和賞の有力候補に挙げられている中国の民主派作家、劉暁波氏(54)=国家政権転覆扇動罪で服役中=の妻、劉霞さん(49)が6日、北京市内でインタビューに応じた。受賞の可能性は高くないとの見通しを示したうえで「一番の願いは、賞よりも一日も早く家に帰ってきてくれることだ」と早期の釈放を訴えた。

 劉霞さんは「国際社会が夫に高い関心を持ってくれていることに感動しており、深く感謝したい」と述べた。ただ、「当局に拘束中の人間が受賞したのは、ミャンマー(ビルマ)の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんらだけ。受賞は難しいと思う」と語った。

 人権活動家の劉暁波氏は、インターネット上で中国共産党の一党独裁の廃止と民主化を呼びかけた「08憲章」を起草したとして、今年2月に懲役11年と政治的権利剥奪(はくだつ)2年の実刑判決が確定。現在は遼寧省錦州市の刑務所に収監されている。

 面会が許されるのは月に1度、1時間のみ。2人の当局者が傍らで監視し、すべてビデオで撮影する。内外の政治や社会問題に関する話は一切、許されない。最後に面会したのは9月7日。少しやせていたが、最近は毎日1時間、屋外でジョギングできるようになり、日焼けして元気そうだった。「拘束後もずっと気持ちも体もいい状態を保っており、とても意思と気力が強い人」と話した。

 劉霞さん自身にも監視の目が光る。当局者が自宅前で24時間体制で監視し、電話やメールはすべて盗聴されているという。少しでも敏感な内容を電話で話すと、北京市当局者から事情聴取される。この日の取材も、自宅から少し離れた喫茶店で話を聞いた。

劉暁波氏の受賞を有力視する声が高まるにつれ、中国当局は反発を強めている。姜瑜・外務省副報道局長は9月末の会見で、「中国の法律を犯し、刑罰を科された人物」と不快感を表明。中国外務省高官が、選考委員会関係者に圧力をかけた可能性も指摘されている。

 こうした中国当局の対応を劉霞さんは語気を強めて批判した。「自らの利権を失いたくないからこそ、夫のたった1本のペンを怖がっているのだろう」

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中国で生まれ育った中国人がこれまでにノーベル賞を受賞したことは一度も無い。

日本は今回化学賞を受賞した鈴木章さんと 根岸英一さんを含め17人。
一番多いのはアメリカの305人。
国別の受賞者リストを見たい人は以下へ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%88%A5%E3%81%AE%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E8%B3%9E%E5%8F%97%E8%B3%9E%E8%80%85

ちなみにリストの中でダライ・ラマ法王は「国籍不明」となっている。

中国初のノーベル賞が獄中の作家に送られることにでもなれば、これはこれは、中国人にとっては、えらいことになる。
と、いうことで中国政府は必死にノルウェーに圧力をかけている。

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1903年チベット<1903年に撮影された超レアなチベットの写真がオークションに>

ルンタ・プロジェクトが日本語版を作った「BBC制作:チベットの歴史1」の最初に出てきた、Younghusband隊に同行したJohn Claude White氏が撮影したという写真。

その内のいくつかを以下で見ることができる。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1317360/Tibet-1903-photographs-secret-kingdom-auctioned-off.html?ITO=1490

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<ナクチュ地区ディル(ビル/比如)で鉱山開発とダム建設に抗議したチベット人3人が逮捕される>

10月1日付け、RFAチベット語放送によれば、
http://www.rfa.org/tibetan/chediklaytsen/ukaylatsen/zamlingsayiyangthog/china-arrested-3-petitioner-in-driru-dzong-10012010162931.html

ディルにある、チベット人が聖山と崇める山の近くで始まった鉱山開発とダム建設の中止を求め、最近、地元のチベット人たちが集結し抗議の座り込みを行っていた。

9月28日、その内の3人が地元政府に陳情書を持って行ったが、3人はその場で「国家分裂罪の容疑」で逮捕された。

ディルには現在大勢の武装警官隊が集結し、緊張が高まっているという。

ディルでは今年3月に小学生によるデモが起きている。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51421908.html

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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