チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年9月29日
アムド、ンガバで1人のチベット人に仲間を匿ったとして4年の刑
Phayul[Wednesday, September 29, 2010 12:49] By Kalsang Rinchen
http://phayul.com/news/article.aspx?id=28223&article=Tibetan+man+sentenced+to+4+years’+jail+in+Tibet’s+Ngaba
Dharamsala, September 29
9月25日、ンガバརྔ་པར་県中級人民法院はチベット人ドゥンゴ・ギャッパདོན་ཁོ་རྒྱག་པに対し4年の懲役刑を言い渡した。
罪状は当局が指名手配していたチュダルཆོས་དར་という僧侶を自宅に匿い、当局に通知しなかったからだという。
この情報はダラムサラ在住の同郷人カニャク・ツェリンཀ་ཉག་ཚེ་རིང་僧によりもたらされた。
ンガバ・キルティ僧院の僧侶であるチュダル(34)は、2008年この地方で起った反政府デモを先導したとして今年4月、13年の刑を言い渡されている。
彼はデモの後ほぼ一年隠れ続けていた。
当局は彼の情報を教えた者には30万元の報奨金を与えると発表していた。
2009年8月25日、ついにチュダルはドゥンゴ・ギャッパの家で逮捕された。
彼を匿っていたドゥンゴと妻のス・ラབསོད་ལྷ་もこの時一緒に逮捕され、その後一か月間拘留されていたが、1万5千元の保釈金を積むことで、一旦解放されていた。
しかし、当局は再び彼と彼の妻を逮捕し、後に妻だけ解放し、ドゥンゴだけ引き続き拘留し続けていた。
ドゥンゴはかつて中国政府が「愛国再教育キャンペーン」を行なっていた1998年にも、反政府的ポスターを町に張り出したとして、5年の刑を受けたことがあるという。
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RFA(チベット語):
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/a-monk-in-ngapa-county-sentenced-to-4-years-in-prison-09282010222918.html
参考(過去ブログ):
http://blog.livedoor.jp/rftibet/tag/%E3%82%A2%E3%83%90
写真は匿われていた方のチュダル: ©phayul.com
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)