チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年9月24日
アムド、マチュで中学生に実刑判決
甘粛省甘南チベット族自治州マチュ(瑪曲県)のマチュ・チベット族中学校の生徒たちが今年3月と4月に二度に渡り中国政府に抗議する平和的デモを行ったということは以前このブログでもお伝えした。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51431151.html
また、つい最近、このデモに加わった中学生二人が退学処分を受けたというニュースも伝えた。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51501612.html
で、今度はこの最初のデモを先導し、3月14日に逮捕されていたツプテン・ニマ(少年)に対し2年の刑期が言い渡されたというニュースが今日入った。
http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=28200&article=Leader+of+student+protest+in+Machu+sentenced+to+2+years+in+jail&t=1&c=1
このデモは最初30人の生徒により先導され、それに500人以上の生徒が合流したという。
その日、その内の40人が拘束された。
Phayulでは、ツプテン・ニマが甘南中級人民法院で裁判を受けたが、今どこに収監されているかは不明とされている。
このことについてウーセルさんはツイッターで「ツプテン・ニマは7月に2年の刑を受け、現在蘭州市に収監されている」と報告されている。
ツプテン・ニマ少年が何歳だったかは今のところどこにも書いてないが中学生であることは間違いない。
中国では一体何歳から実刑の対象になるのかを調べてみた。
すると「中華人民共和国治安管理処罰法」の中に
http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/ip/law/
「第2章 処罰の種類と適用」
「第 12 条 14 歳以上 18 才以下の者が治安管理に違反した場合、処罰を減刑または減軽 する。14 歳未満の者が治安管理に違反した場合、処罰はせず、但しその後見人に厳重に 指導するよう命じなければならない」
とあるのを発見。
さすが中国。14歳以上には実刑が下されるというわけだ。
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筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)