チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年8月14日

ダライ・ラマ法王のモンラム(祈祷会)、「世界の被災地に向けて」

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14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlamドゥ(ク)チュ(舟曲)やレーの犠牲者の数は増えるばかり、、、

今日は朝8時より、ダラムサラのツクラカンでダライ・ラマ法王を導師とし、ギャワ・カルマパも参加され、モンラム(祈祷会)が行われた。

モンラムの対象は始め「ラダックとドゥクチュの土石流災害の犠牲者と被災者」であった。
しかし、法王は法会の最中、短く:

14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlam「パキスタンやロシア、南アメリカなど温暖化による異常気象のせいで世界中で災害が発生し、多くの人々が亡くなっている。これらすべての犠牲者と被災者のために祈ろう」

「我々の心からの祈りと同情は、どこで起こった災害の犠牲者に対しても同等のものでなければならない」
とおっしゃった。

法王はレーの鉄砲水災害についてはデリーからダラムサラに向かわれる途中のアムリツァールで「レーで起こったことは大変悲しいことだ。これは自然災害だ。
我々にできることは犠牲者のために祈り、残された家族の人たちを慰め、被災者が立ち直るために募金などを行うことだ」
と語られた。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27956&article=His+Holiness+saddened+by+cloudburst+tragedy+in+Ladakh

14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlam法王庁のホームページに今日のモンラムに関する声明も発表されている。
http://www.dalailama.com/news/post/570-his-holiness-the-dalai-lama-prays-for-the-loss-of-lives-in-the-floods

この中で法王は「専門家によれば、これらの前例を見ない洪水やロシアの大火災は、未曾有な地球温暖化その他の環境破壊に起因する、より深い病の症状の現れであるという。
従って、みんなが共有する壊れやすい環境を守る方法を考えるために、国際社会の協調的努力が必要とされる」

とコメントされている。

実際、世界中で相次ぐ今年の水害、熱害のニュースを聞いていると、誰しも、「いよいよ終りが始まりそうだな、、、」との嫌な予感を感じることであろう。

もちろんすべてを温暖化のせいにする訳ではない、中国などの場合には人災の側面も大いにあると思う。

だが、根本要因は温暖化と言えよう。科学者たちは温暖化による洪水と干ばつの多発を兼ねてより指摘し続けている。
温暖化ー>ジェット気流の異常蛇行ー>洪水、熱火災、異常寒波と言うわけだ。

14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlam今、ちょうど四川テレビで四川省の水害について報じられている。
洪水地帯はさらに広がり、四川省のチベット側は至る所で相当の水害被害を被っているようだ。犠牲者も益々増加している。
先の四川大地震で被害に遭った地域を中心に大雨が降っているようだ。

チベットに向かう幹線道路も至る所で寸断されている。

この長江(揚子江)上流の大水はこれから三峡ダムに向かう。
大丈夫かな?と心配になる。

中国のテレビでは災害(というより救助活動)の報道もされているが、恒例の募金大会の様子も盛んに映されるようになった。
「中国政府は災害に充てる予算が不足している」なんて言ってるようだが、どういう意味なのか私にはよくわからない。

中国でも追悼活動が始まったというニュース:
「北京共同」http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010081401000315.html

14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlam以下、今日のダライ・ラマ法王、その他の写真。

14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlam後記:前回のコメントでもお知らせしたが、

ラダックの洪水に関する募金:

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所も募金活動を始められている。
http://bit.ly/bwK0QN

こちらもよろしく。

14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlamウーセルさんのブログにドゥクチュ(舟曲)のチベット人たちの民族衣装などの写真が沢山掲載されている。

http://woeser.middle-way.net/2010/08/blog-post_13.html

14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlam

14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlam

14.8.2010 Dharamsala Thuklhakan Monlam

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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