チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年8月10日

中国国防大学のトップの発言「政治改革しなければ政権は崩壊」

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興味深い記事をコピペ。

「政治改革しなければ政権は崩壊」 中国軍部高官、大胆な発言 
軍内からも異変か

http://www.epochtimes.jp/jp/2010/08/html/d27911.html

【大紀元日本8月10日】
5年に1度開かれる中国共産党全国代表大会の第18回大会(12年9月開催)に向けて、中共指導部が密かに権力闘争を繰り広げている。中国国防大学のトップ、劉亜州中将はこのほど、香港「鳳凰週刊」で、中共は現在の政治体制を改革しなければ、「その政権は必ず崩壊してしまう」と断言した。劉氏の大胆な発言の裏に中共中枢部からの有力支持が存在しているのではないかと、さまざまな憶測が飛び交っている。 

 中国国防大学は、中共軍事委員会直属の軍の最高学府であり、軍事の戦略シンクタンクの最高峰でもある。その国防大学のトップがメディアで政治体制の改革に言及するのは異例で、政界に波紋を起こしている。

 劉氏はインタビューの冒頭から、「金銭があるからといってソフト・パワーの上昇を意味するものではない」とし、中共の「経済強国論」や「金銭外交」を厳しく批判した。そして、「金銭だけでは、国際社会における国益を守ることができないばかりか、国内の安定すら維持することもできない」と指摘する。

 さらに、ソ連の崩壊を例に挙げて、民族の運命を決めるのは、軍事や経済よりその文明方式によるものだとして、中共の政治体制を改革する必然性を述べた。「もし、国家制度が国民に最大限にその創造力を発揮させることができず、自由に呼吸することすらできなければ、そしてもし、国家制度が国民を代表する者を指導者のポストに挙げることができなければ、その政権は必ず崩壊する」と現政権への批判ととれる大胆な発言をした。

 また、同氏は、米国を成功に導いたのは、強い経済や先端技術ではなく、「長期間にわたって実行されている法治と、それを支えている制度である」としている。「中国に欠けているのは真理そのものではなく、真理の存在を容認できる土壌なのである」、そして、「民主思想の伝播は国境や歴史から制限されるべきではない」とし、民主政治の実施こそが中国の難病治療の良薬だとした。

 「今後十年以内に、中共の権威政治から民主政治への転換はもはや避けられず、中国の政局でまもなく偉大な大変革が起こるにちがいない」と予告ともとれる発言をしたという。

 この大胆な発言を繰り広げた劉中将は、元中国国家主席・李先念の娘婿で、中共の要職である中央紀律検査委員会の委員でもある。厳しい言論統制を敷いている中共が彼の発言を許しているのは、中共の権力闘争が激化するなか、劉氏は軍を含め中共中枢部から有力な支持を得ているからだと見られている。

 劉氏の発言以外にも、今年3月、改革派のメディア人が作った月刊誌「炎黄春秋」が、「共産党史についての民主的大考査(対党史的一次民主大評価、著者・郭道輝)」と題する文を掲載。同文は大量の史料に基づき、中国人の今までの認識をくつがえすような、毛沢東に対する客観的再評価を行った。これについて、保守派の習近平・副主席は、党史の工作会議で名指しで批判し、同誌はその後、修正文を掲載するよう迫られた。

 また、最新刊の「炎黄春秋」では、趙紫陽元総書記が四川省トップとして就任していた当時の政治功績を高く評価する記事を掲載した。趙紫陽元総書記の名誉回復を図ったこの記事は、新たな波紋を呼んでいる。

 一方、気骨ある報道で知られ、中国知識人に人気のある「南方週末」は、昨年11月、オバマ大統領が訪中した際に単独インタビューを行った。ところが、その記事の掲載を中国当局に差し止められたため、南方週末はインタビュー内容を掲載する予定の紙面を空白のままにして発売し、無言の抵抗を行った。オバマ大統領はインタビューで、言論の自由の重要性について語ったと言われている。

 軍内やメディアから発せられるさまざまな異変は、中共指導部の権力闘争が激化し、水面下から徐々に表面化してきたシグナルだと見られる。

(翻訳編集・張YH)(10/08/10 09:12)

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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