チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年7月16日
7月18日、第9回「チベットの歴史と文化学習会」のお知らせ
リチャード・ギアが来月8月、映画撮影のためラダックに入るそうだ。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27746&article=Richard+Gere+to+shoot+Tibet+film+in+Leh
彼がプロデュースした素晴らしいランチャ(車)のコマーシャルをもう一度見たいと思われる方は以下へ:
http://paultan.org/2008/07/06/lancia-delta-richard-gere-tv-commercial/
法王も今月21日からラダックの下カルギル地区に入られティーチングを行われる。
http://www.dalailama.com/
来月18日からはスピティの南ジスパ、22日からはマナリでティーティングを行われる。
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次の日曜日に開かれる大事なチベット学習会のお知らせ。
以下、この学習会の中心人物である、貞兼綾子さんから友人宛てとして送られてきた案内を、そのまま転載させて頂く。
love&peace! 友人のみなさま
もう1ヶ月以上前になりますが、第9回チベットの歴史と文化学習会のご案内をしました。7月18日日曜日、あと3日(2日)後に迫りましたがもう一度お誘いします。既にお申し込み下さっている方はごめんなさい。当日のプログラムは http://tibet.cocolog-nifty.com/blog_tibet/2010/05/7189-f0b2.html またはこの最後で。
最近になって、日本の二つの地域でチベットゆかりの人々を厚く敬い語り継ぐ人々があることを知りました。一カ所は長野・善光寺の裏山に1964年に建立された「西蔵宝篋印塔」の法要を続けてきた人々。先月ダライ・ラマ14世が来日の折、長野と横浜で講演されました。長野ではこの西蔵宝篋印塔にもお参りされ、土地の人々の法要では法王自ら経をあげてくださいました。この塔は当時日本に来ていたチベット人僧たち4名が世界平和を祈願して建立したものです。この4名は実は私の良く知っている方々でした。(知人のブログ http://ameblo.jp/tibesen/day-20100705.html で今頃になってようやく。。お恥ずかしい。)当時(今もあるけど)、東洋文庫チベット研究室に共同研究員として招聘されていた方々ですが、私が同じ研究室の片隅にいたころはそのうちのお一人、ンゴルタルツェ・ケンポ通称ソナム・ギャツォ師(サキャ派の活仏)のみで、他の2名ケツン・サンボ師とツェリン・ドルマ女史はインドの仮寓先へ戻られた後でした。もう一人は日本人の多田等観師。13世ダライラマの時代にラサのお寺で10年間(1913-23)の修業を積み、博士号に相当する‘ゲシェ’の学位を授与された後、多くのチベット仏典とともに帰国された碩学。チベット学の大先輩ともいうべき方です。
そして、もう一つは、多田等観師ゆかりの東北花巻市観音山。7月の初めに友人たちと訪ねました。多田先生(と東洋文庫の関係者はお呼びしていた)が住まわれた一燈庵とそこから望む花巻の田園風景。そこには今も「等観さん」と親しみを込めて語り、ゆかりの品々を大切に守ってきた人々がありました。秋田出身の多田先生がその地を愛されたのは、純粋に敬愛と好奇心をもって接していた人々がそこにいたからではないか、と思われました。チベット人に囲まれているような安らぎだったのでしょう。
日本におけるチベットの文化紹介に多大な貢献をされたこれら4名の方々は既に亡くなられていますが、今後この長野の「西蔵宝篋印塔」や花巻市観音山は、折に触れチベット人の友人たちを誘ってお参りしなければならない聖地となりました。
というわけで、今回の学習会もチベットの歴史や文化をご紹介するメニュー満載です。どうぞ、お時間を作ってご参加ください。入り口にてお待ちしています。
貞兼綾子
学習会へのお申し込みは私宛↑か 以下へお願いします。
参加お申込みページはこちら(http://www.tibet.to/gaku9/)
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2008年チベット蜂起をきっかけに始まった「チベットの歴史と文化学習会」。第9回目です。
pdf版のチラシはこちら
第9回「チベットの歴史と文化学習会」
ジェグド復興支援学習会
~今、わたしたちにできること~
■日時:2010年7月18日(日)13:00~16:30(開場12:30)
■場所:文京区民センター 3-A会議室
交通 営団丸ノ内線・南北線 後楽園駅徒歩3分
都営三田線・大江戸線春日駅徒歩1分
JR総武線水道橋駅 徒歩13分 http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1754
■参加費:¥1000
■参加のお申込み
参加お申込みページはこちら(http://www.tibet.to/gaku9/)■プログラム(予定)
(1)特別講義「“チベット解放”の言説をめぐって」
講師:大川謙作[日本学術振興会特別研究員(東京大学)]
今日の中国政府は自らのチベット統治の正当性を主張する際に、「共産党はチベットを暗黒の封建農奴制から解放した」という表現を多用します。講義では、こうした中国の「農奴解放言説」を現実の歴史過程を参照しながら検討して行きます。
(2)映像『チベット~失われた世界 II』(イギリス制作)
前回の1930年代~1940年代のチベットに続き、今回はそれ以降1949年~1980年ころまで。中国の侵攻と同時に世界から再び遮断されたチベットの時間を貴重な映像で辿ります。約30分。日本語字幕
(3)特別文化講義「チベットの芸能と民族楽器」
講師:小野田俊蔵[佛教大学歴史学部歴史文化学科教授]
テンジン・トゥンドゥップ[チベット漫談・歌手 http://tenzindhundupmusic.blogspot.com/ ]
チベット漫談テカルThekarや各地の民謡などの伝統芸能を実演しながらダムニェン・ギュマン・ピワン・リンブ等のチベット楽器の解説をします。実演・解説は唄って踊れる大学教授小野田先生と日本で唯一のテカル芸人テンジン・トゥンドゥップ氏。
(4)Q&Aと最新チベット情報「 ジェグド大地震~今 私たちにできること~」
進行:長田幸康(I love Tibet!HP 主宰)
呼びかけ:渡辺一枝(作家)
4月14日、ジェグド(ジェクンド)地域を襲った大地震。映像と現地報告を通して、被災地復興に対し日本にいる私たちができることを考えます。
*発言者は都合により変更となる場合もあります。
●主催:チベットの歴史と文化学習会
●お問い合わせ:e-mail: trb.gakusyuukai@gmail.com
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宣伝:
この中、(2)映像『チベット~失われた世界 II』(イギリス制作)の日本語版はルンタ・プロジェクト制作。
会場では『チベット~失われた世界 I&II』日本語版のDVDが販売されるはず。
ルンタに寄付するつもりで、これを購入し、日本国内に広めて下さいますよう、お願いします。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)