チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年7月12日
カム地方タウでダライ・ラマ法王の誕生日を祝う集会が開かれた
7月9日付、RFAチベット語版:
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/tibetans-in-kham-region-celebrated-the-birthday-of-the-dalai-lama-07102010022308.html
ダライ・ラマ法王の誕生日、カム、(カンゼチベット族自治州)タウ(རྟའུ་རྫོང )地区のチベット人僧侶、俗人は集まり、祝典を行なった。
写真左:集会が行われたタウのナムギャル仏塔。高さ30m(旅行人ノートより)。
今月6日、中国政府による厳しい監視にも関わらず、カム、タウ地区ダルギェリン僧院(དར་རྒྱས་གླིང་དགོན་པ)の僧侶400人を中心に、当僧院にチベット人1000人余りが集まった。
そして、僧院から、見るだけで解放されるとされるダライ・ラマ法王の写真を掲げ、2キロほど離れたナムギェル仏塔のお堂まで運び、お堂の玉座の上にその写真を飾った。
その上で集まった僧俗チベット人は全員でマンダラ供養(三回)等の仏教儀式を行なった。
その後、歌、踊りの供宴や伝統的馬術競技も行なわれ、その日一日、盛大にダライ・ラマ法王75歳の誕生日を祝ったという。
これらの情報はインドに亡命している同地区出身のゲシェ・ツェワン・チュダックが現地と連絡を取り伝えたものだ。
ダライ・ラマ法王の写真を掲げ仏塔に向かう途中、一行は地区政府庁舎の前を通った。
しかし、当局は全くこれに反応せず、止めることもなかったという。
チベット人が大勢集まっており、これを阻止しようとすれば、大きな騒動に発展すると危惧し、当局が行動を控えたと見られている。
この日、一日中地区のチベット人たちは誕生日の儀式とその後の宴会を楽しみ、ビデオやカメラの撮影会も行なわれていたという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)