チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年7月11日

ダラムサラの野鳥・その14/首相直接選挙が近づく

Pocket

Black-throated Tit (Aegithalos Concinnus) 10cmBlack-throated Tit (Aegithalos Concinnus) 10cm
身体は本当に小さいが顔は哲学的?で立派。

今日は日曜日で野鳥の日。
ダラムサラの野鳥観察を初めてほぼ一年が経つ。
現在まで記録に留めた野鳥は250種を越えた。
その内、自分の家の窓から、観察・撮影した野鳥だけでも200種を越えた。
我ながら、気が付かなかっただけで、こんなに色んな鳥が周りを飛び交っていたことを知り驚くばかりだ。

気がつかないことは色々あるという見本だが、一番たちが悪いのは自分の心にも色々あることに気付かないことか?
仏教心理学では51種類の心(心所)があると説く。
もっとも今のところ、心は写真とかには撮れないので区別するのは、余程慣れないと難しいらしい。

自分もそろそろ年だし、外界を観察することはいい加減にして、内を観察しないとね、、、なんていいながら、今日も朝から窓の外ばかり見てる。

Blue caped Rock Thrush (Monticola cinclorhynchus)18cmBlue caped Rock Thrush (Monticola cinclorhynchus)18cm
雨季に入り、朝早く時たま見かけるようになった美しい鳥。

日本に冬鳥としてシベリアから飛来する、ツグミ科の「ジュウビタキ」に似ている。「ジュウビタキ」は日本に居るとき広島の家の庭に来たので、撮影し紹介したことを思い出す。。
「ジュウビタキ」には顎の青と肩の水色がなく、全体にこの子に比べ色が地味だ。

Blue caped Rock Thrush (Monticola cinclorhynchus)18cmBlue caped Rock Thrush (Monticola cinclorhynchus)18cm
上と同じBlue caped Rock Thrush (青頭岩ツグミ)が飛んでいるとこ。
写真の上の方にピンボケで写ってる方は、頭と背中が茶色っぽく、幼鳥と思われる。

ところで、日本は今日確か参議院選の投票日だよね。
投票ご苦労様でした。

ここは日本から遠いし、長年の外国暮らしで日本人という自覚が限りなく薄れているので、はっきり言ってあんまり関心がない。
前回、少しは民主党に期待してみたりもしたが、それも大方小沢氏のお陰で裏切られ、今は昔から嫌いじゃない菅さんが頑張っているというので、応援したい気も少しはあるが、積極的というほどでもない。

日本の話は日本に任せて、と、実はこちら亡命チベット社会でも近々大事な選挙が行われことになっている。
議員選挙と首相選挙だ。

特に、首相選挙に関し、皆の関心が高まっている。
何しろ、この10年というものサムドゥン・リンポチェが二期に渡りず~~と首相を務められて来たので、新風がほしいと思うのも当たり前かもしれない。
特に、若者を中心を若返り、宗教離れを期待するムードが感じられる。

Whitebrowed Blue Flycatcher(Muscapa superciliaris) Male 10cmWhitebrowed Blue Flycatcher(Muscapa superciliaris) Male 10cm
一度だけ見た、小さな小さな藍い鳥。
英語名を日本語に訳すと「白まゆ藍ヒタキ」。

——————–

この社会では「自分が首相になりたい!」何て最初から手を上げる人はいない。人気投票によりまず候補者の名が人々により上げられ、その中から自然に候補者が選ばれ、絞られて行くのだ。
今のところ19人の名が挙げられている。以下にアクセスすれば全員の顔写真と経歴などをチェックすることができる。
http://www.kalontripa.org/en/en/candidate-profiles.html

もっとも、自分で言い出すのでないから、中には「自分はやりたくない。降りる」という人もいる。
例えば、まだ19人の中から消されていないが、このところ何度も中国との交渉において法王特使を務めているMr. Lodi Gyari(ロディ・ギャリ・リンポチェ)などは、最有力候補の一人だが、すでに「自分はやらない」と宣言された。
他、タシ・ワンドゥ氏も早々辞退されている。
ジェツン・ペマ女史も辞退されたと聞いたが、これは確かでない。

Lobsang Sangay左の彼が、現在最有力候補と思われているLobsang Sangayロプサン・サンゲ氏。

とにかく彼の特徴はその学歴にある。
チベット人として初めて、ハーバード大学ロー・スクールに学び博士号を取ったと言う人なのだ。
今もハーバード大学のthe East Asian Legal Studies Programという研究所で上級研究員をしていると言う。

2008年にダラムサラで行われた特別全体会議に出席し、その時から俄然人気が増した。
ダラムサラではなじみが薄く、政治的経験は浅いが、それでも若者の間では彼に期待する人が多いようだ。

詳しい経歴は:http://www.kalontripa.org/endorse/csee-all-nominees/76.html

Tenzin Tethong彼の対抗馬は今のところTenzin N. Tethong テンジン・テトン氏。
彼はチベット青年会議の創設メンバーの一人であり、その後政府に入り、アメリカ代表も務めている。
現在はスタンフォード大学の教授(講師?)である。
毛並みの良さ、上品で知的な人柄が特徴だ。
年配、保守層は彼を押すだろう。

詳しい経歴は:http://www.kalontripa.org/endorse/see-all-nominees/82.html

Whitebrowed Blue Flycatcher(Muscapa superciliaris) 10cmWhitebrowed Blue Flycatcher(Muscapa superciliaris) 10cm
見てくれはだいぶ違うが、頭、肩、胸の斑点は産毛と見て、上記の「白まゆ藍ヒタキ」の幼鳥ではないか??? と思う。

—————-

一回目の選挙は10月3日に行われ、ここで51%以上の票を獲得した人がいるならその人に決まる。
そうでない場合は候補者を数人に絞った後、再び来年の春、最終選挙が行われる。

それにしても、有力候補は何れもアメリカ暮らしの長い人ばかりだ。
本心、こんな田舎に帰って、安給料で働きたくないんじゃないかな、、、?

Whitebrowed Blue Flycatcher(Muscapa superciliaris) Female 10cmWhitebrowed Blue Flycatcher(Muscapa superciliaris) Female 10cm
上の子と同じように見えるが、違いもある。肩に茶と青の斑点があり、背中にも赤みがあり、羽根(三列風切や大雨覆)の先にも赤みがある。
はっきりしないが、勝手に「白まゆ藍ヒタキのメスの幼鳥」とする。

unknown名称不明 12cm
上二つに似ているが、大きさがちょっとだけ違う。
上の三つは10cmとなっているように、本当に小さい。
この子は一回り大きい。
何かの幼鳥であろうと思われるが、もうよく解らない。

Tailor Bird (Orthotomus sutorius) 13cmTailor Bird (Orthotomus sutorius) 13cm
これも小さい鳥でウグイス科と思われる。
家の周りに住んでいるらしく、よく見かける。
身体に似合わず、長いしっぽを振り上げながら、大きな声で「ピーピーピーピー、、」と鳴くのですぐ判る。

以下お尻を振り上げるタイプが続く。

Magpie Robin (Copsychus saularis) Male 20cmMagpie Robin (Copsychus saularis) Male 20cm
最近数羽の群れとなりしばしば現れる、ツグミ科の鳥。
よく止まったまま、羽根やしっぽを広げる仕草をする。
そうすると、白が目立つ。

Magpie Robin (Copsychus saularis) Female 20cmMagpie Robin (Copsychus saularis) Female 20cm
上の子のメス。
このオス・メスは必ず一緒に現れる。

Whitebrowed Fantail Flycatcher (Rhhipidura aureola)17cmWhitebrowed Fantail Flycatcher (Rhhipidura aureola)17cm
これは中々珍しい鳥だ。
まるで踊るが如く、羽根を広げ、しっぽを立て広げながら、枝から枝へと飛び回る。

Minivet 18cmMinivet 18cm
この鳥も珍しい。一度一瞬見たきりだ。
これと同型で赤いオスと黄色のメスというMinivetはいるが、このように赤・黄が混じったのは初めてで、本の中にも見つけられない。

Rock Bunting (Emberiza cia) 16cmRock Bunting (Emberiza cia) 16cm
最後の一枚は山に登った時に出会った鳥。
高山性ホオジロ科の「岩ホオジロ」。
頭のデザインが特徴的だ。

ルンタ・レストランで、リチャード・ギアと。追加のおまけ:
さっき他の探し物をしていて偶然出て来た昔の写真。
リチャード・ギアがダラムサラ美化計画に熱心だったころ、仕事で何度か会った。
ルンタ・レルトランにも来てくれた。
で、何のために載せるの?

出馬準備の人気取り!?
ドクター中松に見習ってね、、、

ブログのアクセス数を少しでも上げるため!?

ドクターの黄色い帽子といっしょで、、、
逆効果の可能性は高いが?

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

ちべろぐ

Archives

  • 2018年3月 (3)
  • 2017年12月 (2)
  • 2017年11月 (1)
  • 2017年7月 (2)
  • 2017年5月 (4)
  • 2017年4月 (1)
  • 2017年3月 (1)
  • 2016年12月 (2)
  • 2016年7月 (1)
  • 2016年6月 (1)
  • 2016年5月 (9)
  • 2016年3月 (1)
  • 2015年11月 (1)
  • 2015年10月 (2)
  • 2015年9月 (4)
  • 2015年8月 (2)
  • 2015年7月 (14)
  • 2015年6月 (2)
  • 2015年5月 (4)
  • 2015年4月 (5)
  • 2015年3月 (5)
  • 2015年2月 (2)
  • 2015年1月 (2)
  • 2014年12月 (12)
  • 2014年11月 (5)
  • 2014年10月 (10)
  • 2014年9月 (10)
  • 2014年8月 (3)
  • 2014年7月 (9)
  • 2014年6月 (11)
  • 2014年5月 (7)
  • 2014年4月 (21)
  • 2014年3月 (21)
  • 2014年2月 (18)
  • 2014年1月 (18)
  • 2013年12月 (20)
  • 2013年11月 (18)
  • 2013年10月 (26)
  • 2013年9月 (20)
  • 2013年8月 (17)
  • 2013年7月 (29)
  • 2013年6月 (29)
  • 2013年5月 (29)
  • 2013年4月 (29)
  • 2013年3月 (33)
  • 2013年2月 (30)
  • 2013年1月 (28)
  • 2012年12月 (37)
  • 2012年11月 (48)
  • 2012年10月 (32)
  • 2012年9月 (30)
  • 2012年8月 (38)
  • 2012年7月 (26)
  • 2012年6月 (27)
  • 2012年5月 (18)
  • 2012年4月 (28)
  • 2012年3月 (40)
  • 2012年2月 (35)
  • 2012年1月 (34)
  • 2011年12月 (24)
  • 2011年11月 (34)
  • 2011年10月 (32)
  • 2011年9月 (30)
  • 2011年8月 (31)
  • 2011年7月 (22)
  • 2011年6月 (28)
  • 2011年5月 (30)
  • 2011年4月 (27)
  • 2011年3月 (31)
  • 2011年2月 (29)
  • 2011年1月 (27)
  • 2010年12月 (26)
  • 2010年11月 (22)
  • 2010年10月 (37)
  • 2010年9月 (21)
  • 2010年8月 (23)
  • 2010年7月 (27)
  • 2010年6月 (24)
  • 2010年5月 (44)
  • 2010年4月 (34)
  • 2010年3月 (25)
  • 2010年2月 (5)
  • 2010年1月 (20)
  • 2009年12月 (25)
  • 2009年11月 (23)
  • 2009年10月 (35)
  • 2009年9月 (32)
  • 2009年8月 (26)
  • 2009年7月 (26)
  • 2009年6月 (19)
  • 2009年5月 (54)
  • 2009年4月 (52)
  • 2009年3月 (42)
  • 2009年2月 (14)
  • 2009年1月 (26)
  • 2008年12月 (33)
  • 2008年11月 (31)
  • 2008年10月 (25)
  • 2008年9月 (24)
  • 2008年8月 (24)
  • 2008年7月 (36)
  • 2008年6月 (59)
  • 2008年5月 (77)
  • 2008年4月 (59)
  • 2008年3月 (12)