チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年6月3日

部屋の中まで監視されるラサのホテル

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85677680.jpgこれからチベットのラサに観光などでお出かけの人は、今からは外で監視されているだけではなく、ホテルの部屋の中にも監視カメラが隠されていて、すべてを見られていると思わないといけない。

それにしても、こんな都市が世界の他の国にあるのか?
部屋の中を四六時中、誰かに見られてると知っても、それでも観光に行こうと言う人がいるのかね?

日本で(いやらしい)個人がそんなことしたらすぐに逮捕される。
自治体がやればキチガイ自治体と呼ばれ、責任者は逮捕される。

5月31日のRFA英語版に掲載されていた記事を訳そうと思ったら、例によりdias様が先に訳されているのを発見。
http://www.rfa.org/english/news/tibet/tibet-curbs-05312010141915.html

以下、dias様ブログ転載分。
http://www.mobileplace.org/dias

ラサのホテルやゲストハウスの宿帳に名前を書いた宿泊者は、公安のデータベースに記録され、そして一挙一動が従業員によって監視されることになる。

観光業界筋によれば、チベットの首都、ラサのホテルでは町全体のセキュリティ強化の一環として、監視カメラの設置を進められている。新しい公安規則によれば、ホテルやゲストハウスは宿泊客監視のためのIDカードリーダーと監視カメラ設置を義務づけられた。
「設備の設置は完了しました。もし設置しないとラサ市公安は営業許可証を取り消すでしょうから、やらざるを得ないのです」とあるゲストハウス経営者は話す。
「監視カメラに次世代型IDカードリーダー、そして社会情報データベースを設置しました」。そのコストは8000元(1,170ドル)になるだろうと彼は話す。
「その他にも、営業許可を取るには、ラサ市内にある『金盾集団』で7日間の訓練を積んだ警備員を雇わないとならないのです」。
張と名乗る別のホテル従業員によれば、今週火曜日から新規則が施行されるという。
「必要な設備はすべて整えました。ホテルの規模に関わらず、警備員には訓練が必要だし、営業には許可が必要なのです」と彼は電話で話した。
「以前は一定以上の規模のホテルにしか必要とされていませんでしたが、いまは規模は関係なく、全宿泊施設に要求されています」。
彼によれば、監視カメラ設置は小規模なゲストハウスにとって影響が大きいという。
「カードリーダーで宿泊者の基本的な情報がわかります。そしてオンラインで公安に送信されるのです」。
このIDカードなしではどんな宿泊施設にも泊まれないようになるため、外国人の管理が厳しくなるだろうと彼は言う。
「外国人宿泊の日報を公安局に提出しなければなりません。星が多くついたホテルしか外国人受け入れの許可が出ないでしょう。家族経営のゲストハウスでは許可されないでしょう」。

このシステムに関わる金珠中路公安局の係員は、新しい規則についてコメントを拒否した。
「話せば差し障りがあります。もし説明が必要なら、公安分署に連絡してください」と彼は電話で答えた。
先週のラサ晩報の報道によれば、公安はあらゆる情報を収集するために、社会情報データベースでの監視を強化しようとしている。5月30日には7県1区でこの規則が施行される。
このホテルでの警備向上策に示されるように、チベット人がチベット人らしく生きることへの抑圧が強まっている。チベット語文書のコピー制限もそのひとつだろう。あるコピーサービス店主によれば、5月上旬からコピーをするには身分証明書の提示が必要になったという。

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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