チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年5月22日

ドゥンドゥップ・ワンチェン氏解放のため、家族とITSNからのお願い

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62bc7d84.jpg以下まずITSNからのお願い。

緊急要請:
ドゥンドゥップ・ワンチェン氏に関する最新情報
ヒラリー・クリントン米国務長官が来週、中国訪問

(以下敬称略)

ドゥンドゥップ・ワンチェンの家族は「国家分裂扇動罪」により、6年の懲役刑を宣告されたチベット人映像作家ドゥンドゥップ・ワンチェンが、青海省西寧の刑務所から同じく青海省にある「労働改造所・強制労働キャンプ」に移送されたとの情報を得ました。

この情報からドゥンドゥップ・ワンチェンが6年の求刑に対して上告していたことは確認されているため、彼の上告が失敗したか、審議は終わったと考えられます。

この情報が、米国、クリントン国務長官の北京訪問のニュースと時を同じくして届いたことから、ドゥンドゥップ・ワンチェンの家族は緊急プレスリリースを発表し、クリントン長官の北京滞在中に中国政府に対してドゥンドゥップ・ワンチェンの件を問いただしてほしい旨を訴えました。

(毎日新聞:米国務長官>21日から日中韓訪問 正式発表
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000021-mai-int

****** ITSNでは以下のアクションを緊急要請します:

1.米ヒラリー・クリントン国務長官宛に、緊急アクション:
ドゥンドゥップ・ワンチェンの釈放と、緊急事態として彼の妻であるラモ・ツォが医師を伴って彼を訊ねることができるよう要請する。

オンライン・アクションのリンクはこちらです。
(以下にアムセスして、下の方にある、空欄に氏名とメールアドを入力するだけです。サインお願いします)

http://org2.democracyinaction.org/o/5380/p/dia/action/public/?action_KEY=3128
SNSや皆様の仲間へのメールで緊急アクションとして広く、ご紹介下さい。

2. メディアにコンタクトをする:
ドゥンドゥップ・ワンチェンの家族は緊急プレスリリースを英語で発表しました。(下に掲載)このプレスリリースを皆様のメディア・コンタクトへ送ることを要請します。
リリースには中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語の翻訳があります。

3. 外務省と 在北京大使館へ訴える:
ITSNでは全メンバー団体、個人へ、このドゥンドゥップ・ワンチェンに関する緊急情報を自国の政府機関に届けることを要請します。その中で、Xichuan強制労働キャンプへの移送情報についての確認と、彼の上告に関する情報を中国政府に問い合わせてくれるよう要請することと、同時に今回の移送、罪状内容と彼の健康状態について遺憾の意を表明してくれるよう要請してください。

ドゥンドゥップ・ワンチェンの背景資料、これまでに使用されたひな形や写真はITSNメンバー用エリアに用意されています。
http://www.tibetnetwork.org/resources-dhondupwangchen (要ログイン)

またはFreeTibetJapan日本語サイト
http://freetibet.holy.jp/news-action/dhondup_wangchen/ 
他にも、ドゥンドゥップ・ワンチェンのタグで御覧下さい。

なにとぞ,よろしくおねがいします。
Mandieより
ITSN Campaigns Coordinator

(以上若松訳、以下中原訳)

以下家族からのお願い(この部分は注記部分を半日本語にした以外、昨日と同じ)

****** 緊急プレスリリース *********

服役中のチベット人映像作家ドゥンドゥップ・ワンチェンがXichuan強制労働キャンプ(労働改造所)に移送された。

家族は彼を解放するための国際介入を求める。

2010年5月19日、チューリッヒ:

2009年12月28日、「国家分裂扇動罪」により、6年の懲役刑を宣告されたチベット人映像作家ドゥンドゥップ・ワンチェンは、西寧の刑務所から同じく西寧にある「強制労働キャンプ(1)」に移送された。
彼の妻をはじめとするドゥンドゥップ・ワンチェンの家族は、今日(19日)、来週中国を訪問するヒラリー・クリントン国務長官に対し、政治的理由により不当に囚われている者たちを解放するため、中国政府に圧力を掛けてほしいと要請する。

ドゥンドゥップ・ワンチェンは6年の求刑に対し、上告していたが、今年4月6日Xichuan刑務所に移送されたということからして、彼の上告は失敗し、審議は終わったと考えられる。2010年2月、彼を弁護するために西寧に向かった中国人弁護士チャン・ボヤンにもドゥンドゥップ・ワンチェンとの面会は許されなかった。さらに彼は3月、当局から、このケースを扱うなら、彼の法律事務所を閉鎖するとの脅しを掛けられた(2)。

今日(19日)、インドにいるドゥンドゥップ・ワンチェンの妻ラモ・ツォは、「私たちは今、絶望的な気持ちに陥っています。勇敢な中国人弁護士チャン・ボヤン及び、かつての弁護士リー・ドゥンヤンは、夫を助けるために危険を冒し、多くのことを実行して下さいました。
しかし中国は、今回、、もはや私たちが法律に則って問題を解決しようとすることの不可能であること示しました。
従って、私は諸外国政府に対し、表現の自由と言う権利を行使しただけで囚われているドゥンドゥップ・ワンチェンを即時・無条件解放するために(中国政府に)介入して下さることをお願いします」と語った。

ワシントンDCにあるLaogai Research Foundation(強制労働キャンプ研究財団)によれば、Xichuan強制労働キャンプはアルミニューム・サッシ、普通レンガ、多孔及び中空レンガ、焼結コンクリート・ブロック(3)を生産しているという。
スイス在住のドゥンドゥップ・ワンチェンの従兄であり、自身も元政治犯であるジャミヤン・ツルティムは今日(19日)、「この工場での重労働はドゥンドゥップ・ワンチェンの健康にとって非常に危険なことだ。去年すでに、彼がB型肝炎を患っているにも関わらず何の治療も受けられないと聞いている。過去にこの強制労働キャンプに送られた数人のチベット人を知っているが、彼らはそこの生活と労働の厳しさについて証言している。私はドゥンドゥップ・ワンチェンのことが非常に心配だ」と語った。

ドゥンドゥップ・ワンチェンは、オリンピック、ダライ・ラマ及び中国政府のチベット政策に関する一般チベット人の意見をインタビューによって集めたとして、2008年3月26日逮捕された。
これらのインタビューは後に「ジクデル(恐怖を乗り越えて、Leaving Fear Behind)」というドキュメンタリー・フィルムにまとめられ、世界30カ国で上映されることとなった。

————————————————

コンタクト:
Gyaljong Tsetrin: +41 (0) 76 462 67 68 (Tibetan & Chinese)
Dechen Pemba: +44 (0) 77 848 23907 (English)
Tenzin Tsedoen: +41 (0)79 384 05 63 (German)
www.leavingfearbehind.com

Notes:
1. Xichuan prison は”Qinghai Xifa Water and Electricity Equipment Manufacture Installment Limited Liability Company”.という名の下に産業的生産基地と言う仮面をかぶった労働改造所である。 The complex of Xichuan Prisonは以下のグーグルマップで見ることができる:http://tinyurl.com/xichuan-prison.

2. Amnesty Internationalの April 21, 2010付け記事参照:http://www.amnesty.org/en/library/asset/ASA17/018/2010/en/5578278e-7772-487e-a1d4-93802bb6c50b/asa170182010en.html
3.Laogai Handbook 2007-2008: http://laogai.org/books37ページより
Enterprise: Qinghai Xifa Water and Electricity Equipment Manufacture Installment Limited Liability Company
Prison: Xichuan Prison
Details: Location: 108 Xichuan South Rd., Xi’ning City
Postal Code: 810029
Tel: 0971-5219370 / 5219352

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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