チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年5月20日
カム・セルタ(色達)、二人のチベット人が抗議活動・逮捕
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27332&article=2+Tibetans+arrested+in+Sertha+for+protest
セルタ出身者セルタ・チュリン氏(在ダラムサラ)によれば、先の日曜日(5月16日)の夜、2人のチベット人がセルタ県の警察当局により逮捕された。
セルタ・ケコル村出身のカルデンとソナム・トプデンは、チベットの人権とチベット人の指導者ダライ・ラマ法王の帰還を求める抗議デモを行ない、逮捕された。
2人は中国政府への要求を記したビラを壁に張り出したり、路上で宙に放り上げたりしたという。
彼らは現在セルタ拘置所に拘留されている。
家族や親せきの者たちが面会を求めたが、当局はこれを拒否している。
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「ビラ」と言えば:
最近ラサの当局は、コピー屋が依頼主のコピーをする前には、必ず依頼主の住所、氏名を当局が後で調査できるような形で残さなければならない、という条例を用意しているという。
http://www.etaiwannews.com/etn/news_content.php?id=1260930&lang=eng_news
これは、明らかに、チベット人人権擁護活動取り締まりの一環としての政策だ。
中国は他にも最近、サイトやブログの開設を政府の登録・許可制とすることや、さらにブログへの書き込みも「実名」で行なわなければならない、というお達しを出したという。
どこまで、本気に実施、チェックされている(される)のかは明らかでないが、ここまでやるかの言論弾圧だ。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)