チベットNOW@ルンタ

ダラムサラ通信 by 中原一博

2010年5月13日

戻って助けたい、、、

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b15e96f9.jpg以下、毎日新聞の藤田さんの記事。
休暇でダラムサラに来ていたはずの藤田さんと二人で「ユシュ地震慰安協会」を訪ねた時の話。

それにしても、同じことを書いて、どうしてこうも文章に差があるかね、、、。
私は話を聞いたその日、忘れないうちにできるだけ沢山書いておこうと思い、長々とレポートした。だが、案外そのレポートへの拍手は少なかった。

それに引き換え、藤田さんの文章の上手いこと、短くてもちゃんと話を聞いた人たちのこころが感じられるし、ダラムサラの様子も伝わってくる。
やっぱ、プロは違うね。

というか、チベット人への愛情の深さに関係するのかもしれない。
藤田さん、ごくろうさまでした。

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中国地震:発生1カ月 亡命チベット人「家族の安否は」--インド・ダラムサラ 
◇戻って助けたい…

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20100513ddm007030058000c.html

 中国・青海省地震では多くのチベット族が犠牲になった。チベット亡命政府のあるインド北部ダラムサラには、政治の壁に隔てられた地で、家族の安否を気遣う亡命チベット人の姿があった。【ダラムサラ藤田祐子】

 玉樹チベット族自治州から03年に亡命したゲンドンさん(30)が握りしめた携帯電話は、数回の呼び出し音の後に切れた。「3日前は、入院中の叔父の家族になんとかつながった。その後容体は良くなっただろうか」と気をもむ。インド各地に散住する亡命チベット人のうち、玉樹出身者はダラムサラだけで200人近いという。

 両親が玉樹出身で、レストランを営むクンガさん(35)は「チベット人は仏教の輪廻転生(りんねてんしょう)を信じる。きちんと供養できて初めて、残された家族は安心する」と話す。クンガさんはインド生まれだが、被災した親類も多い。レストランは情報を求める玉樹出身者の寄り合い所のようになった。義援金の申し出も相次いだ。「現地に届ける方法はある。家族も家も失った人たちを助けたい」と話す。

 玉樹に住む長兄を亡くした男性(25)の両目は真っ赤に充血していた。08年12月に亡命し、ダラムサラ郊外の就学年齢を超えた難民向け教育施設で学ぶ。姉妹3人兄2人の6人兄弟で、長兄以外は家を出ている。長兄は、年老いた両親を支える一家の大黒柱だった。

 戻って家族を助けたいが、亡命した身で中国に戻って「逮捕されるのも怖い」。男性は「でも、両親や義姉、めいやおいも心配だ。どうしたらいいのか」と途方に暮れた様子で話した。

 道沿いには、被災地からメールで届いた写真が拡大コピーされて祈りの言葉とともに張り出され、足を止めて見入る僧侶や、うつむいて数珠を繰る人の姿も。ダラムサラのチベット仏教寺院では、初七日、二七日(ふたなのか)、三七日(みなのか)と、地震から7日目ごとに法要を開いてきた。三七日の法要があった4日は、午前7時半から数百人が経を上げ、地震発生の7時49分に黙とうした。

毎日新聞 2010年5月13日 東京朝刊

筆者プロフィール

中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro

1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)

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