チベットNOW@ルンタ
ダラムサラ通信 by 中原一博
2010年5月11日
ダライ・ラマ法王は2週間のアメリカ・ツアーに
ダライ・ラマ法王は先の日曜日にダラムサラを発たれ、アメリカに向かわれた。
アメリカには二週間以上滞在され、様々な講演や対話を行なわれる。
以下、そのスケジュールをお伝えする。
http://www.dalailama.com/teachings/schedule
5月12,13日:インディアナ州Bloomingtonにある「チベット・モンゴル仏教・文化センター」で、二日間に渡り「般若心経」の講義。
www.tmbcc.net
5月14日:インディアナ州Indianapolis,で一般講演、「慈悲と智慧により困難に立ち向かう」
www.tmbcc.net,
www.interfaithhungerinitiative.org
www.indianabuddhist.org
Bloomingtonはインディアナ大学の学園都市のようなものだが、インディアナ大学ではダライ・ラマ法王の長兄である故タクツェル・リンポチェが早くから教授としてチベット学を講義されていた。タクツェル・リンポチェはクンブン僧院のリンポチェであった。
インディアナの2つのイベントを準備した「チベット・モンゴル仏教・文化センター」の代表であるアルジャ・リンポチェArjia Rinpocheもクンブン僧院のリンポチェである。
1950年生まれのリンポチェは2歳の時、パンチェン・ラマ10世により第20代目のアルジャ(Arjia Danpei Gyaltsen)リンポチェと認定された。
アルジャ・リンポチェはジェ・ツォンカパの父上の生まれ変わりであり、代々クンブン僧院の僧院長を務めるのだった。
若い時には14世ダライ・ラマからも教えを得たという。
文革が終わるまで16年間、強制労働キャンプに送られた。
1998年アメリカに亡命する。
リンポチェは最近自伝を発表された。その中には偽パンチェン・ラマが如何に選出されたか等、今まで隠されていた色んな事実が
明らかにされている。RFAで昨日、リンポチェがご自身で本の解説をされていた。
5月16日:ウイスコンシー、Madison, ウイスコンシー大学脳科学者Richard Davidson教授との対話。
http://www.investigatinghealthyminds.org
5月18日:アイオワ州Cedar Falls。北アイオワ大学主宰、一般講演「教育の力」
http://www.uni.edu/dalailama
5月20~22日:ニューヨークRadio City Music Hall.にて、3日間に渡る仏教講義。
テキスト:シャンティデェーヴァ(寂天)「入菩提行論(チュンジュク)」及びカマラシーラ「修習次第・中編(ゴムリン・バルワ)」
www.dalailamany.org
法王、この二つのお経をセットにして講義されること、すでに数十回。
日本でも一度は誰かこのセットをリクエストされるとよろしいかと思う。
5月23日:ニューヨーク、一般講演、「Awakening the Heart of Selflessness(無自性の心を覚醒させる)」
www.dalailamany.org
5月23日:ニューヨーク、St. John the Divine教会にて「宗教間対話」
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日本でも6月に同じく「般若心経」を講義されますが、半日だけ。
横浜のジェ・ツォンカパの講義も半日だけ。
半日の講義はサマリー。時間のない日本人が可哀そう。
サマリーでも、それを機縁に仏教を勉強するようになればいいですよね。
後一つ、アメリカはハーバードを始め昔から大学が法王を招くことが多い。
日本も幾度か仏教系の大学が招いたんだっけ?
でも、大体宗教団体が多いようだ。
法王の講義は大学が似合うと思う。
早稲田はいつ法王をお招きするのかな、、、?
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追記:今日はジェクンド地震の犠牲者たちの中有、四七日(よなのか)「阿経忌(あぎょうき)」。
ダラムサラを始め、チベットの内・外至る所でモンラムがおこなわれた。
この地域出身者が多い南インドの「セラ・ジェ僧院」では特に大きなモンラムが行われた。
現地のキグドでは外から救援に来た僧侶たちは追い出され、残されたキグドの僧侶たちだけが、テントの中で細々と、死者を良き来生へと導くためにモンラムを行っているという。
筆者プロフィール
中原 一博
NAKAHARA Kazuhiro
1952年、広島県呉市生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家。大学在学中、インド北部ラダック地方のチベット様式建築を研究したことがきっかけになり、インド・ダラムサラのチベット亡命政府より建築設計を依頼される。1985年よりダラムサラ在住。これまでに手掛けた建築は、亡命政府国際関係省、TCV難民学校ホール(1,500人収容)、チベット伝統工芸センターノルブリンカといった代表作のほか、小中学校、寄宿舎、寺、ストゥーパなど多数。(写真:野田雅也撮影)